読書感想:弓道部の美人な先輩が、俺の部屋でお腹出して寝てる

 

 時に画面の前の読者の皆様。皆様は日々を生き抜く上での「癒し」というものはお持ちであろうか。私は実家で飼っている猫を日々愛でるのが癒しである。仕事に行く前と帰ってきた後、一度ずつ抱っこして猫吸いするのが日々の癒しのルーティーンである。時々嫌な顔をされたりするけれど。それはともかくとして、日々を生きていく上での癒し、というのは重要であろう。このストレス社会において、生きていく上でそういったものはきっと欠かせぬ筈である。

 

 

という訳でこの作品は、そんな「癒し」を題材にした作品であり。日々の癒し行為を通じて、ヒロインとの心が近づいていくお話なのだ。

 

昔は凄腕FPSプレイヤーであったけれど夢破れて挫折、その後ひょんな事から癒しに目覚めた少年、透也。

 

「これ、四本だけ戻していいですか」

 

高校入学して少し経ったある日、ブラコン気味な姉の芽衣にお使いに出された先のコンビニで目撃したのは、学校でも有名な弓道部所属の美人先輩、璃乃(表紙)。彼女が買い込んでいたのは大量のエナジードリンク弓道部の後輩が話していたという事で透也の名前を知っていた彼女。貧血で具合が悪くなってしまった彼女を一先ず近くの家に連れて行って休ませて。

 

「俺なら、先輩の抱えている問題を解決できるかもしれない―――手伝わせてください」

 

後日、お礼代わりに聞き出したのは彼女の事情。実は周囲からそうみられているように完璧超人、という訳でもなく周囲の期待に応えるために懸命に頑張っているという事。その話が透也のセンサー的なものにビビッときたのか、手伝いを提案する。

 

「こんなの、リピートしちゃうに決まってる」

 

彼が行うのは癒しのコース。まずは話を聞き、きちんと頑張りを肯定して。彼女と同じ日常を体験してみて、問題点を見出し。負担を減らせるところは減らして、時にマッサージしたりして。久しぶりの、ただ落ち着くだけの時間に、璃乃の心は解きほぐされていく。

 

弓道部の中で勝手に作られていたルールの改定にも協力し、璃乃の中に芽生えていくのは感謝。解きほぐしてくれた彼への思い。

 

「身に覚えは?」

 

そんな中、透也に疑いの目を向ける少女が一人。透也と同じクラスの一匹狼であり璃乃の妹、紫音。最近ゆるゆるしてきた姉に覚える疑い、透也に疑いをかけてきて引き離そうとしてきて。そろそろ璃乃も大丈夫、とは思えてきていたがこの時間を終わりにするという言葉を言い出せず、結局関係が続くことに。

 

そこで思いついたのは、璃乃と紫音の仲直りをさせる事。が、何故か紫音とのお試しのお付き合いと紫音の周りとの関係作りをかけて、璃乃に関するクイズで勝負をすることに。

 

「時間があるなら、できる限り一緒にいたくて」

 

見せつけるのは、自分しか知らぬ彼女の顔。きちんと仲直りも導いて。少しだけ近づいた関係で、また日々を続けていくのだ。

 

癒しの時間の中で二人の距離が少しずつ近づいていくこの作品。ゆるりとしたラブコメが見てみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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