読書感想:男子禁制ゲーム世界で俺がやるべき唯一のこと1 百合の間に挟まる男として転生してしまいました

 

 さて、一口に百合系の作品と言っても様々なパターンが存在する、というのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。例えば舞台設定一つとっても、男女共学であったりするし、女学校であったりする。そう考えてみると、百合というのも奥深いものと言えよう。だがこの見解だけは百合が好きな読者様の中であれば共通するのではないだろうか。男は要らぬ、特に百合の間に挟まる男は、という見解が。

 

 

それもまた当然であろう。百合の間に挟まる男なんてものは邪魔なだけであり、ましてやそこで恋に発展するような事があれば、それは只のラブコメに過ぎない。百合な作品んでそんな事をやれば、炎上待ったなしである。

 

「百合を護れたなら良しとするか」

 

将来の夢は百合カップルが同居するマンションの観葉植物になる、という夢を掲げるくらいには百合の狂信者であるとある少年、橘。彼は友人から借りた至高の百合ゲー、通称「エスコ」を数日かけてノンストップでクリアし。久しぶりに休憩しようとしたところ、通りすがりの百合カップルを事故から庇うと言う形で死ぬ事となる。

 

 だが彼は死ななかった。彼の意識は次の瞬間、ゲーム世界の中にあった。但し、百合の間に挟まる男というお邪魔キャラであり多種多様な死に方をするキャラ、緋色(表紙上)として。更にこの世界は、魔法も異種族も存在する世界であり、あらゆることに対してつけられる「スコア」が何よりも重要な世界。この世界で当然、緋色はスコア0だったのだ。

 

しかし挫ける事もなく、緋色は生き残る為にこの世界で力をつけるべく動き出す。まずは魔法の力をつけ、変わろうとする。それが他者から見ても驚くほどの変化を招き。気が付けば彼の周りには、少女達の輪が出来上がっていくのである。

 

ひょんな事から決闘する事となった、エルフの姫様であるラピス(表紙中央)にその力を認められて押しかけられ。作中最強キャラであるアステミルには何故か弟子にさせられ。気が付けばどうしてこうなった!? と言わんばかりのハーレムが彼の周りに形成されていく。

 

「なにがあろうとも、俺は、お前のことを護るよ」

 

そんなものは彼の望むところではない。寧ろ百合の間に挟まる男は自分も含めて死ぬべきである。だからこそ百合の守護者であろうと、妹であるレイ(表紙右)に押し付けられた問題の中で死線を潜り抜ける事となろうとも、彼女達の笑顔を護る為に必死に力を尽くし。頭の回りと悪運の強さで乗り切っていく。

 

ヒイロくんには、いつも笑ってて欲しいから」

 

そんな彼を本来の主人公である桜(表紙左)も見初め。更に彼を囲むハーレムはその厚さを増していくのである。

 

主人公が百合厨であるからか、その考え方が癖があるもコメディであり。だけど時にシリアス、時に熱血もあるからこそ真っ直ぐに目新しい面白さを持っているこの作品。見た事の無い面白さを読んでみたい読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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