読書感想:凡人転生の努力無双2 ~赤ちゃんの頃から努力してたらいつのまにか日本の未来を背負ってました~

 

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読書感想:凡人転生の努力無双 ~赤ちゃんの頃から努力してたらいつのまにか日本の未来を背負ってました~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で第六階位の魔、雷公童子を見事に祓って見せたこの作品の主人公、イツキ。しかし彼はまだ、末恐ろしい事に小学校にすら入学していない。つまりまだまだ上がある、上に行けるという事である。どこまで強くなれば、いいのか。その問いを彼にしたらきっと、何処までも、という答えが返ってくるのかもしれない。

 

 

当然である。彼は多分誰よりも、理不尽に命を奪われると言う事の怖さが分かっている筈。だからこそ、規格外の力を持っていても、その恐怖が根底にある限り。彼は努力を辞めぬのだ。

 

「簡単に言うと雷公童子を祓ったことで三つの派閥ができているんだ」

 

しかし、彼が雷公童子を祓った、という事実は祓魔師のコミュニティを三つの派閥に分断し、彼の元に縁談がこれでもかと舞い込んできて。アカネさんにお願いして釘を刺してもらい、イギリスから留学、という名の青田買いに来た祓魔師、イレーナの誘いも蹴って。彼は当初の予定通り、日本で修学する事となる。

 

「イツキに勝つために、この学校に来たんだから!」

 

幼馴染みであるアヤとも別の学校になり、彼が出会ったのはイギリスからの留学生、ニーナ(表紙左)。イツキに勝つ為にやってきたと大言壮語する彼女は第四階位。しかし小学生のコミュニティの中では彼女のような子は浮いてしまう、というもの。案の定孤立してしまう彼女を放っておけず関わり続ける中。イツキは彼女から、イギリスの伝統魔法、「妖精魔法」を学ぶことになる。

 

だけど、やはり体系の違う魔法を身に付けるのは、かなりの難易度を持っていた。そもそも感覚から分からず四苦八苦。そんな中でも、魔はイツキたちを狙い容赦なく襲い来る。過去のトラウマからニーナは戦えぬ中、イツキは新たに磨きつつある雷魔法も用い戦っていく。

 

そんな彼に目を付けてきたのは、姉妹関係と名乗る似たような美学を持つ魔達。魔達が生み出した世界に囚われ、人間の魔法を封じられて絶体絶命。

 

『我ッ! 復活ッ!』

 

だけど、取れる手は既に手の中に。イギリス式の妖精魔法、その術を用いて「妖精」として呼び出した雷公童子。イツキを主として従った彼の力で、あっという間に戦局を打開し。

 

「向き合ってないよ」

 

その裏にいた黒幕の魔、も圧倒的な出力の一撃であっさり片付けて。ニーナの母であり、ある事情から彼女に魔法を教えず突き放していたイレーナに、彼女の本心を告げて。仲直りの一端を担っていく。

 

だけど彼はまだ知らぬ。新たな脅威はすぐそこ、彼女の中に根差してしまった事を。

 

より世界観が広がり熱さ増す今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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