読書感想:デモンズ・クレスト2 異界∽顕現

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:デモンズ・クレスト1 現実∽浸食 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でこの作品は小学生でしか背負えない、惨劇が始まった訳であるが。やはりよく考えてみると、この作品、小学生に背負わせるにはいささか重すぎる地獄が展開されてやしないだろうか。著者である川原礫先生の頭の中身をちょっと見てみたい次第である。それはともかく、今巻では何を目指していくのか、という事であるが。今巻では以外にも水凪との合流を目指すのである。

 

 

 

正直、個人的には水凪との合流を長い時間をかけて果たしていく命題にするのか、と思っていた次第であるが、どうもそんな事は無かったらしい。

 

「ナギを迎えにいって欲しいの」

 

それはともかく、前巻の続きから物語は始まる。妹である佐羽に取りついた悪魔、ヴァラク。かの悪魔は助けた対価として、水凪を助け出してほしいと依頼し。彼女は今、アクチュアル・マジックの世界にいるという助言を得て、佑馬たちは再びゲームの世界へと向かう事となる。食料調達を後回しにして。

 

 

まぁそれは、大人であれば褒められた事ではないかもしれないが、子供であれば仕方のない事かもしれない。それはともかく、再びあの世界に戻ってみれば待っていたのは、大きく拡大した世界。いける所がかなり広がっていた、しかしどこにいるのか分からない。 一先ずフィールドを探索する事となる中、NPCであるはずの人物のあまりにも生々しい反応に面食らったり、別の階にいる生徒達のグループの一員である二木と遭遇したり。移りゆく時間の中で冒険をする中、水凪の行方の有力情報が手に入る。それは領主の館がある島の岸辺に彼女らしき人物が流れ着いて、悪辣な警吏長、オーベンに囚われていると言うもの。情報を教えてくれた老人に教えられた地下通路を通り、道中の封印をすみかに任せて突破し、一時的な仲間である友利の助けも借り皆で進んで。何とか水凪を救出する事に成功する。

 

だがしかし、そう簡単には状況は終わらなかった。やはり彼等はまだまだ何もかも未熟。オーベンとその手下との戦いが避けられず、激突する事となる。

 

「そんなことじゃ、わたしの崇拝者になる資格なんかないよ?」

 

見ていられないと手を貸してきたのは、水凪の中に潜んでいた悪魔、クローセル。その手も借り何とか乗り越え、ログアウトが出来ないと言う焦りも非常手段を用いることで、何とか抜け出すことに成功する。

 

だけど、まだまだ危機は終わらない。壊されていたダイブ装置、そして襲撃してきた仮面の騎士。その顔は、ある意味予想外の顔。

 

内乱的な様相も漂わせ始め、より地獄に踏み込む今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。