読書感想:転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます6

 

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読書感想:転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます5 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、魔物の大暴走も片付け、自らの興味のままに邁進していれば最早敵なし、周囲に勘違いや誤解をばら撒きながらも、どんどん注目株となっているこの作品の主人公、ロイドであるが。果たして彼に敵う者、敵対できる者はいるのだろうか、という事について皆様はどう思われるであろうか。技術、という点においては敵うものは中々いないのかもしれない。では、魔力という点においてはどうであろうか。この世界にはロイド達人間とは根本的に違い、魔力においても絶対的な差がある種族が存在するのである。

 

 

それ即ち、グリモを始めとする魔の者達。だがグリモは、言ってしまえば魔の者達の中でも下っ端。魔人の上位存在である魔族。そんな奴等がロイド達の前に立ち塞がり始めるのが今巻なのである。

 

「それにしても今回は意外と早く帰ってきましたね」

 

魔物の大暴走を退け、再び魔術の研究に戻れるかと思ったのも束の間、やってきたのは第二王女であるビルギット。幼いころから類まれなる商才を示し、あっという間にサルーム国の商会の全てを支配下に置き、商売を牛耳った女性。魔物の大暴走で使った経費の徴収に来た彼女に誘われ、ロイド、シルファ、レン、そしてアルベルトの四人は世界最高峰の学び舎であるウィリアム総合学術園へと入学する事となる。

 

道中でワイバーンに襲われたり、魔道具の作り手であり魔力を全く感じられる謎の少女、コニーと知り合ったり。色々ありながらも何とか学園に辿り着き、学びが始まる。

 

・・・と思っていたが、どうもロイドは学園の中でも既にかなり上位の力を持っていたらしい。その力を借りたいと、良家の子弟であり、後継者の座を争う兄弟。生徒会長であるノアと、非認可の治安維持組織である愚連隊を率いるガゼルがロイドをそれぞれの組織へ誘い。お互いの魔術に興味があったからこそ、それぞれの組織を掛け持ちし業務に励み。その中で二人の仲を改善しようと、お茶会を計画する。

 

だが、そのお茶会は毒物事件で波乱の展開となっていく。毒物を仕掛けたのは、まさかのグリモ。だが勿論、彼はロイドを裏切った訳ではなく。一連の事態の裏には黒幕がいる。その名はヴィルフレイ。今はいない魔王が率いていた魔軍四天王の一人。勿論、ロイドとは地力が違い過ぎる絶対的な力の差がある相手。

 

「敢えて言うなら人の知恵だな」

 

 だが、そんな事は実力の差にはならない。何故ならば、力に驕る相手なんて敵ではないから。探求心の塊であり寧ろ知恵こそが強みであるロイドに勝てる道理はないのである。

 

しかし、ヴィルフレイは最弱。残る三人が、魔王復活の為に動き出す。その見つめる先にいるのは、意外な少女。

 

新たな章の始まりとなり、格上の相手が明確に表れ始める今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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