読書感想:転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます3

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前巻感想はこちら↓

読書感想:転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、魔剣を量産するは魔神を討滅するは、単に魔術の研究だけしていたいけど色々成果を残し過ぎたせいでどんどんと注目を集めていく、我等が主人公であるロイド君。強力な味方もいる、都合の良い実験対象もいる。徐々に整いつつある彼の陣営、と言っても良い存在。が、しかし。彼にもまだ未収得である魔術があり、彼にとってアンタッチャブルと言っても良い魔術があった。

 

今巻で触れていくその名は、神聖魔術。神の奇跡を修行と術式で再現し行使する、紙に仕えるものだけが使う事の出来る魔術。

 

では何故アンタッチャブルなのか。それはロイドの過去の暴走に原因がある。

 

特に神を信じている訳でもないし、修行が結構面倒くさいし。手っ取り早く魔術を知ろうと教会の書庫に侵入する。そんな前科があるが故に、彼は教会を出禁になってしまったのである。

 

だが、魔術を極めその真髄を覗くのであれば神聖魔術に手を出さぬわけにもいかず。教会と信仰の深い第四王女、サリア(表紙左端)の助けを借り、知己であったシスター、イーシャの手も借り。何とか彼は、教会内部へと侵入を果たす。

 

 ではここから、ロイドの修業編が始まる・・・と言ったら嘘になる。規格外な魔力の持ち主である彼が、一足飛びを成し遂げない訳もない。

 

ひょんな事から辿り着いた、人間では決して立ち入れぬ筈の聖域、天界。かの地で出会ったのは天使の一柱、ジリエル。

 

排除しようとしてくるジリエルを規格外の魔力で逆に下し。邪な思いを秘めたジリエルがロイドと契約してみれば、何故か左手の皮一枚しか乗っ取る事が出来ず。

 

 お分かりいただけただろうか。図らずも彼は天使と魔族を同時に従える者となったのだ。そんな彼が挑むのは、グール事件に端を発する、教会を統べる者の黒い思惑。

 

悪しき心の持ち主ではなかったが故に身に着けた力は効かず、大切な者達を二度も失い。哀しき悪は魔が交じり合った外道へと身を墜とし、ロイドの前に立ち塞がる。

 

「最強の存在、か。思ったほどではないんじゃないか?」

 

 が、しかし。ロイドにとってはそんな存在ですらも利用対象としか見えず。結果的に最強の力を手にした彼に、そんじょそこらの悪役が叶う訳もないのである。

 

前巻に引き続き、ゆるく楽しいファンタジーな空気が吹き抜ける今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、ゆるめのファンタジーが好きと言う読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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