読書感想:悪役御曹司の勘違い聖者生活4 ~二度目の人生はやりたい放題したいだけなのに~

 

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読書感想:悪役御曹司の勘違い聖者生活3 ~二度目の人生はやりたい放題したいだけなのに~ - 読樹庵

 

 さて、前巻でアリスの心を取り戻し、「聖者」という自分では全く望んでもいない称号への道が開けてしまった我らが悪役御曹司、オウガである。前巻で判明したのは、フローネが闇魔法で目論む狙い。では今巻ではそのフローネとの決戦が始まるのか、というと。そうはならない。フローネが望むのは決戦、つまり準備を整えてくるという事。つまり、まだである。

 

 

そしてオウガもまた、準備をしなければならない。と言う訳で今巻は決戦に向けてのパワーアップとなる巻であり、オウガ周りのハーレムが固まる巻である。

 

「・・・・・・俺には大切な仲間と、この腕以上に優秀な右腕がいますから」

 

国王様より「聖者」の称号を授与され、縁談の申し出やら応援の申し出に辟易しつつ。その最中、今まで酷使しすぎた右腕の治療の為に父親が読んできた「国家魔術師」、ラジニスより告げられたのは残酷な事実。腕の筋肉ではなく魔力回路が壊れている、これはもう治らないというもの。自分の選択を後悔していないとはいえ諦める訳もない。そこへ示されたのは可能性。魔道具の義手を接続し新たな腕とすればいい、というもの。それを作れる職人を求め、いつもの五人で向かうのは独立機械都市、エンカートン。魔物だらけの荒れ地の中にある陸の孤島、何処にも属さぬ独立都市。

 

早速紹介で行ってみるのは町一番の工房、ルルダーン工房。そこで出会ったのは、父親である親方と喧嘩中の若き技師、ユエリィ(表紙右)。彼女に度胸を認められ、対等な立場として、彼女に義手を作ってもらう事に。

 

「ボクはオウガくんと一生の思い出を作りたいんだ」

 

「あなたを愛しています、オウガ君」

 

「私が大好きなオウガはきっと全員を幸せにしてくれるんだとも思ってる」

 

その準備は試行錯誤の連続。その中でユエリィと父親の確執を目撃したり。そんな中、マシロやレイナ、アリスやカレンとそれぞれデートをし、告白され。誰の手を取ればいいのか、と懊悩する中でカレンから告げられた真っ直ぐな信頼に、自分の臆病を感じ取って。大切な事、答えを自分の中で選ぶ。

 

そこで起きるのは緊急事態。襲来する魔竜、そして魔物達。仲間達と共に魔竜の迎撃に出るも、人間態を取った魔竜の一撃に追い詰められ、右腕を失ってしまう。

 

 

そこへ届けられる、ユエリィの最高傑作。その力で魔竜を退け、明かされるのはこれはフローネの差し金であるという事。聞き出すために後で話を聞かせろ、と魔竜の命を助け。

 

「だが、それでもいいなら」

 

今、真っ直ぐに告げる。四人への想いを。その思いを受け入れ、少女達と結ばれていくのである。

 

決戦へ向けてのパワーアップ、準備となる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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