読書感想:放課後の迷宮冒険者2 ~日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます~

 

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読書感想:放課後の迷宮冒険者 ~日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、魔物やら迷宮が存在する異世界、ド・メルタ。主人公である晶は毎日、放課後にダンジョンに潜っている訳であるが、彼は基本ソロである、というのは前巻を読まれた読者様であればご存じであろう。作品の緩い空気と、彼自身のゆるゆるの空気に誤魔化されてはいるものの、誰も彼もが死んだら終わりである。一歩間違えれば死の危険だってある。そんな世界で一人、こつこつと綿密に予定を立てて探索を続けている彼というのは、魔法の腕前以外でも特筆すべき点があるのだろう。

 

 

「いやまあ大丈夫でしたけどもね」

 

「うん、それなら消し飛んでも大丈夫かな」

 

と、まぁそんな事はさておき、まず待っているイベント、それはスクレールの日本訪問。晶にとっては「おじさん」扱いの紫父神アメイシス様に許可を願えばあっさりと許可を貰い。神様マジックで人間風に見えるようにしてもらい降り立つ、現代日本

 

多くの建造物の高さに驚いたり、地下鉄をダンジョンと勘違いしたり。野生の怪人(!?)をスクレールが一蹴したり、クレープやらうな重を堪能したり。穏やかな一幕の先、新たな冒険の日々は幕を開ける。

 

 と、言っても今巻もやるべきことは変わらない。のんびりほのぼの、こつこつと準備を重ね、決して無理をせず命を大事に迷宮探索するのみである。その途中でエルドリッドとリゾートに行ってみたり、新人冒険者達の舌を日本食で染めたり、王女の近衛と一悶着あったり、更にはこの世界の魔王がライオン丸先輩によって討伐されていると知ったり。あっちこっちに、時に興味のままにふらふらと行動する中で。ダンジョンの最奥で悪友であるミゲル達と出逢ったのを切っ掛けとし、一時的に臨時パーティを組んで予定外のダンジョンへと向かう事となる。

 

「あれだけの実力があるなら、他には取られたくねぇ」

 

目的とするボスへ向かう道中、そしてボスにトドメを刺した規格外の一撃。ミゲルのパーティの面々は驚愕する、その圧倒的な実力に。ミゲルもまた見出す、晶の本当の凄い部分である慎重さを。トップを目指す実力者パーティにとっても、正に得難い存在。野に埋もれていて、近づこうとすれば逃げていく原石である彼の凄さ。そんな彼は口にする。いつかパーティの話を受けるかもしれないと。

 

果たしてその言葉にはどんな意味があるのか。

 

のんびりほのぼの、時に少しだけドタバタな面白さが確かに深まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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