読書感想:高校生WEB作家のモテ生活2 「じゃあ全員と付き合っちゃえば」なんて人気声優が言いだしたのでハーレム開始

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、立てば何とやらではないも、小説家として既に神の領域に居ると言ってもいい、カミマツこと勇太であるが、その内面は年頃の少年である、というのは画面の前の読者の皆様は、既にご存じであろう。そう、普通なのである。別に海千山千の人生経験がある訳じゃない。だからこそ仕方のない事なのである、恋心を寄せられて戸惑ってしまうと言う事は。

 

 

「勇太君せーぶんをほきゅー♡」

 

夏休みが声優としてのお仕事で纏めて潰れる由梨恵に、頑張る分のご褒美の先払いと言わんばかりに、実は兄だった白馬先生を介して、家で二人きりになるチャンスが訪れ。この機を逃さぬとばかりに、ぐいぐいと由梨恵が攻めて来て。

 

「・・・・・・わたしだけを見て、わたし以外を見ないでください」

 

更には突発的に勃発したヒロイン達が勢揃いのお泊り会で。勇太への思いと、更には痴態を自爆して明かしてしまったみちるに触発され、自らもまた痴態を見られたからか。アリッサもまた、大胆になり勇太へ迫る。

 

 これより幕を開けるのは、刺激に満ちた夏休み。相も変わらず爆速でお仕事したり、ヒロイン達と賑やかに過ごしたりして。そんな中、ヒロイン達はそれぞれの動きを見せていく。

 

「ありがと・・・・・・かみにーさま」

 

「ずっとずっと、永遠に愛してます」

 

「ありがとう、勇太。大好きよ。今までもこれからも、ずっと」

 

皆で乗り込んだコミケの会場で、偶々居合わせた勇太の母親の故郷の田舎で、そして皆で訪れた夏祭りの場で。こうちゃんが、アリッサが、そしてみちるが。精一杯に想いを伝え、それは確かに勇太の心の中に届く。

 

だがそれは同時に、カミマツと言ういわば精密機械の中に、避けられぬノイズを巻き起こす。それもまた仕方のない事だ。何故なら彼は、色恋沙汰に関しては色を知らぬ普通の高校生であり、皆の事が大切であり大好きであるからこそ、選べないと言う優しさから来る悩みに振り回されているのだから。

 

「じゃあ、全員と付き合っちゃえばいいじゃん!」

 

 しかし、そんな彼へと由梨恵が投げかけたのは肯定の言葉。皆が大好きなら、全員と付き合っちゃえばいい。結婚する、と決まった訳じゃないし、別に世間からどう思われようが関係ない。そのあっさりとした無常の肯定は、色恋に悩んでいた勇太の悩みを吹き飛ばす。

 

その決断ができるのも若さゆえか、しかし彼等は只の若者ではなく、自立できるだけの収入を基本的には持っている若者達である。そんな彼等の決断は果たして何を呼ぶのか。もしや世間の方を変えてしまうのか。

 

ブコメメインとなる事で、甘さとドタバタ感がより跳ね上がる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

高校生WEB作家のモテ生活2 「じゃあ全員と付き合っちゃえば」なんて人気声優が言いだしたのでハーレム開始 (GA文庫) | 茨木野, 一乃ゆゆ |本 | 通販 | Amazon