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読書感想：ラブコメ漫画に入ってしまったので、推しの負けヒロインを全力で幸せにする２ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、本編の主人公である勇一の恋は放っておいても駆け出している横で、司と聖の甘々ラブコメは展開されているというのは画面の前の読者の皆様もご存じであると思うが、聖の意向で隠しているこの恋は、このまま隠しておけると思われるであろうか？ 答えは否、と言ってもいいかもしれない。言いたい、伝えたい。そんな思いはどんどんと大きくなる、というのは自明の理であり当然の事であるのだから。
「もちろん聖ちゃんのためだよ」
勇一と歌織、詩帆がお弁当を巡って火花を散らすのを傍観しながら、自分も聖とイチャイチャしたいと思いながらも、それは出来ず。一先ず司は、聖とこれからも仲良くする為、デートの資金を得るべく。バイトする事を決め、個人経営のカフェのバイトに応募する。
「うん。よろしくねー」
難なく採用されたバイト先、新たな出会いがそこに在った。その名は茉莉乃。原作マンガの後半に登場した先輩キャラであり、いわばゆるふわ天然なお姉さんキャラで人気を博した存在。漫画本編で登場するよりも前の彼女に出会ってしまったのである。
「あまり・・・・・・司に近づかないでください」
無論、聖一筋である司にとっては意識する相手でもなく、茉莉乃の方にもフラグは立たず。だが彼女を目撃した聖の内心は穏やかではなく。正体を隠してバイト先に訪問し、司の思いを聞き出し茉莉乃にくぎを刺す行動を為して見せるのである。
そんな中、巡ってくるのは夏の花火大会。司の記憶の中にあるのは、これが歌織の仕掛けるイベントであり、何かイベントがあったという事。だがその詳細を思い出すことは出来ず。何かの予感を感じさせる中、花火大会の幕が上がる。
その場で待っていたのは、付き合っていると言う事実の露呈という危機。はぐれてナンパされていた凛恵を回収した後、聖の元へ戻った時。級友と彼女が話していた場に出てしまった事で、あわやという危機を迎えたのである。
思わずついた嘘、それはお互いの心を傷つける刃。違和感を覚える、心がざわめく。ならばもう、隠してはおけぬ。隠したくないと言う思いは、決壊の時をもう迎えている。
「私の宝物を公表するんだ。これくらいは騒いでもらわないとな」
だからこそ、今。踏み出す一歩は必然。級友達に向けて高らかに宣言する、付き合っていると言う事実を。その一歩を以て確かに今、新たな段階へと踏み出していくのだ。
更に甘さ増していく今巻、シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
