前巻感想はこちら↓
読書感想:神は遊戯に飢えている。4 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻を読まれた読者様はフェイがどんどんと注目株となり始めている中、「神々の遊び」を彼に攻略させたくない、という謎の勢力、正体不明の神が動き出していると言うのはご存じであろう。そも「神々の遊び」に秘密があると言うのなら、何故それは公開されぬのか? そもそも何故正体不明の神はそれを知っているのか? 細音啓先生お得意であられる広大な世界観と膨大な伏線と謎は簡単に明かされるものではない。だが少しずつは明かされる。正体不明の神、その正体が少し見えるのが今巻なのである。
前巻の騒動の後、メンテナンスも兼ねて参加した神樹を舞台にした超大規模なフィールドで行われる遊戯。フェイ達の前に立ち塞がるのはニンフとドライアド、トレントの連合チーム。更には一定数の勝利を遂げているメンバー、フェイ達がいる事で遊戯の難易度は上がり、新たなルールが追加され、神々合同のチームとの遊戯は否応なく始まる。
「何かの神がいる。それも複数」
たった一つの作戦に基づき動いていると宣言した神々の考えを解き明かすべく、縦横無尽に動き回りながらも作戦を看破していくフェイ。その裏、現実世界でウロボロスは衝撃の事実を話す。前巻の騒動の理由、それは本部から支給された機械が原因であり、その力の源である本部には何かも分からぬ神が、なんと複数もいると言う事を。
『神々の遊びはもう止めない?』
ゲームを機転と知恵、更には力業で攻略し帰還した支部。そこでネット越しに行われた会合。だが正体不明の神は簡単には尻尾を見せず。それどころかその一人であり、理事長の娘でもあるヘレネイアはフェイにこっそりと接触し、神々の遊びは十勝してはいけぬと告げ。その言葉の意味に悩むフェイはかつての先輩であるケイオスの言葉に、何かしらの手掛かりを求め。その足跡を追い、彼が向かった遺跡都市へとチームで向かう。
けれどそこにケイオスの姿はなく。だが合流してきたウロボロスに、会わせたい奴の準備が整うまで遊んでおいで、と。フェイ達は彼と遊びたかった神、ポセイドン(表紙)とミノタウロスの元へと送り込まれる。
彼女が仕掛けてくるのは、人狼と脱出ゲームを組み合わせた二重のゲーム。その裏に隠れているのは、遊びたがりなポセイドンの神らしからぬ策略。それを解き明かし、真実をつきつけ。フェイ達は再び勝利をもぎ取る。
「持っていきな、この先へ」
そして現実世界で待っていたのは、フェイの最初の相手である巨神、タイタン。彼女は遊戯の歴史の一端を語り、彼等に大きな贈り物を渡す。それは彼等にこそ相応しいチーム名。全ての歴史の先に立ち、背負っていけると託されたもの。
大きな贈り物と共に向かう本部、そこは敵の総本山。さてそこで何が待つのか。シリーズファンの皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。