読書感想:神は遊戯に飢えている。6

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:神は遊戯に飢えている。5 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻まで読まれている読者様は、フェイに「神々の遊び」を攻略させたくないのが、理事長の娘であり最強チームの一員である神様、ヘレネイアであるというのはご存じであろう。だがしかし、皆様はこうは思われた事はないであろうか? そもそも彼女が止めようとしているのは何故か、という事を。フェイが十勝したら困る、という訳ではないだろう。人類にとって神々の遊びで十勝するのは悲願であり、自分達が先に勝ちたい、というだけならあまりにも悪として小物過ぎる。では彼女は何を知っているのか? 何を知るからこそ、止めようとしているのか?

 

 

その事実の一端、それはヘレネイアという神の正体にも触れる事であり、同時に十勝の先のご褒美を示すものであった、と判明するのが今巻である。故に今巻の感想はネタバレがとんでもない事になると思われるので、あらかじめご留意願いたい。

 

遺跡都市エンジュ、フェイのかつて所属していたチームのリーダーであるケイオスの足取りを探せど、引っ越したはずの家は空き家であり。どうもまた引っ越したらしい、という事実だけを知り、一先ず神秘法院の支部すらもないそこから、ルインに戻る事を決める。

 

一先ずは捜索を棚上げにし、次に追うのは迷宮で行われた遊戯に関する問題。求める話は本部にある、今回はミランダも同行する事となり。観光も兼ねて道中で寄り道しながら本部へ向かう事となる。

 

「完全攻略でもらえるご褒美はね」

 

その最中、道中でウロボロスにより明かされたのは「神の栄光」というご褒美の中身。それは、人の身から全知全能の神になれる、というもの。それは確かにどれだけでも願いがかなえられると言うもの。

 

「間違いない。本人から聞いたからな」

 

「神は遊戯に飢えている」

 

 だが、それは真実の一部に過ぎない。何故、神となるのがご褒美なのか。まるで神ではなく人間臭いではないか。その理由を明かすのは、本部にて再会したケイオス。太古の遊戯を元にした遊戯、「人神決戦」にてフェイとぶつかり合った後。約束通りに彼は真実を明かす。

 

それは古代、かつて神呪を用いた争いが行われていた時代があった事。その時代を、遊戯で十勝し神となって初期化する事で終わらせたのが、かつてのヘレネイアであるという事。そして今の神々の遊びは、歴史の繰り返し的に始まったという事。

 

つまり彼女は、かつての争いの時代を知るからこそ。同じ過ちを繰り返すという仮定の下に動いていたのである。それは過去に拘る事で未来の可能性を信じない事とも言えよう。しかし彼女は、自分の仮定を信じるからこそ行動している。

 

故、その道は同道できぬ。そして彼女のチームメイト、超人の神呪の祖となった神の遊戯へと、フェイ達は誘われていく。

 

明かされた事実、それはあまりにも大きく。なればこそこれからはきっと、過去を見るヘレネイアと未来を見るフェイのぶつかり合いになるのかもしれない。

 

シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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