読書感想：人気声優とイチャイチャして結婚するラブコメ２

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前巻感想はこちら↓

　さて、前巻でようやく優香と奏太は夢に向かって歩き出したばかりである。約束された未来へと、進みだしたばかりである。ではここで一つ、画面の前の読者の皆様に問うてみるとしよう。「人気」とは何を以て「人気」と言うのであろうか。人気声優であると言う証明として、簡単なものは一体何なのであろうか。

「・・・・・・ここまで言えば、もうお分かりではないですか？　アイちゃんに、何が足りないのか」

改めて頑張ると決意した矢先、奏太が相談を持ち掛けたのは教育係である麻耶。彼女が呆れながらも教えてくれたのは、「ファンの数」。そう、声優大賞で大賞を狙うのであれば、質も大事であるが量も大事。そして、奏太のような濃いめなファン一人だけで足りるものではない。なればこそ、数で勝負するしかないのである。

　そのために必要なのは何か。それは「露出を増やす」、つまりは自分の顔を売っていくと言う事。その為のステップアップとして舞い込んできた、先輩声優とのラジオのお仕事。しかしその前段階、インタビューを受けた時に優香の「あがり症」という弱点が発覚してしまう。更には奏太も意図せずして、よきせぬ事態に巻き込まれていく。

今までの役と真逆な役に戸惑う寧々の相談に乗ってみたら、役作りのために恋人役となる事となり。優香の為に駆けまわり、彼女のあがり症克服のために奔走する傍ら。寧々とデートしたり、遊園地に行ったり。秘密にしなければならぬ時間がどんどんと増えていく。

何処かすれ違い、会話もしてくれなくなって。その心の中にあるのはどんな思いか。

「奏太にはずっと、私だけのファンでいてほしいの！」

　それは決して怒りではなく。寧ろ可愛らしいヤキモチ的な思い。マネージャーを取られたみたいに感じてしまったから、奏太は自分にとって特別な人だから。だからこそ優香は分かっていても嫉妬してしまう。ヤキモチを焼いてしまう。

改めて思いをぶつけ合って仲直り。その上で考える、一体どうすればよいのかという改善策。

「アイちゃんにも声優としての、明確な想いが必要なんじゃないかって」

　その最中、奏太が閃いた。自分の中に見失わぬ指標を持つと言う事。その言葉で改めて考える、自分の始まり。そして優香は見つけた指標を胸に新たな舞台へ上がり。世界へ向けて、自分という声優がここに居ると言う事を示していくのである。

前巻から更に加速し、本格的な始まりとなる中。新婚な二人の未来の甘々も語られる。二本の柱の深みが更に濃くなっていく今巻。

前巻を楽しまれた読者様は是非。

きっと貴方も満足できるはずである。