読書感想:有名VTuberの兄だけど、何故か俺が有名になっていた #2 妹と案件をやってみた

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:有名VTuberの兄だけど、何故か俺が有名になっていた #1 妹が配信を切り忘れた - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様の中でVtuberに詳しい方はこう思われたかもしれない。荒唐無稽である、というか普通は登録者こんなに一気に増えないし、現実性がない、と。そう思われた読者様、合わぬと感じたのならいつでも離脱していただきたい。茨木野先生の作風はそういった感じであるので。

 

 

さてここからはそんな緩さも纏めて愛せると言う読者様がこの感想を読んでいると言う前提の元に勧めていく訳であるが。一気に有名になってしまった「ワインの兄」こと聡太。そんな彼をフッた下手人、クスミがまた浅ましくも絡んでくるかと思いきやそんな事にはならない。彼女は作中中盤、転校したとあっさり語られるのみでフェードアウトするのでご安心いただきたい。

 

「君にすごく期待してることは確かだよ」

 

「いすずも・・・・・・前に進もうって」

 

では今巻では何が起きていくのが。ムーヴメントを起こす存在として期待されている聡太に持ち込まれるのは、3DCGモデルを持たないかという提案と、そのモデルをいすずにもという相談。いすずに意見を聞いてみれば、彼女もまた先に進まなければと思っていた事を知り。引きこもりを一歩脱していすずも踏み出して。聡太もまた、Vtuberとして新たな段階、企業からのお仕事、案件という分野へと向かっていく。

 

「初めてでそれはヤバいって!」

 

しかしやはり聡太は無意識に事故を引き寄せる体質なのか。ピンとくる、という自分の感覚に従い選んだのは獄激辛なカップ焼きそばの案件、という分かる人にはわかるであろう事故必死な案件。

 

「そりゃもったいない。こんなうまいのに・・・・・・発売停止なんて」

 

しかし、実はバカ舌だった聡太にはその激辛も心地よいもので、お目付け役として参加してきたアルクが巻き込まれて撃沈、更に聡太とのいちゃいちゃを全世界に配信する事となり、結果オーライという形で事故りながらも配信は成功する。

 

そんな彼が出会うのは、学校では地味な図書委員の諏訪さん、裏の顔は清楚系Vtuber「すわひめ」な彼女。しかし聡太ことワインの兄貴にかかれば、限られた配信で見せていた腹黒で毒舌な面を常に晒す事となり。しかしそれが結果として彼女にもいい方向に働き、彼女もまた人気になっていく。

 

それを見、面白くないのはいすずである。最近構ってもらえない、妹は自分なのにというやきもち。 その根底にあるのは配信への向き合い方。仕事か、遊びか、という意識をすり合わせ。また家族としての絆を深めて。

 

「家族が喜んでくれる以上に、うれしいこと、ねえよ」

 

そして二人で意見を出し合って、いつも頑張ってくれている父親にもプレゼントして。家族で三人、より温かく深まっていくのだ。

 

前巻にも増してハートフル、温かさが増す今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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