読書感想:師匠に借金を押し付けられた俺、美人令嬢たちと魔術学園で無双します。

 

 さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様は「借金持ち」と聞いて何の作品のキャラを思い浮かべられるであろうか。私は「苦労さん」こと、某スパロボの主人公を思い出す次第であるが。という前置きはともかく、借金というのは自分で作ったのならともかく、誰かから引き継いだりして背負った場合等は、放棄できる場合もあるので気を付けていきたい次第である。

 

 

という前置きからも察していただけたと思うが、この作品も借金から始まる。今回、借金を背負わされたこの作品の主人公であるルクス。師匠であり、十数年前の災厄を解決に導いた「龍傑の英雄」、ヴァンペールにどう考えても払いきれないくらいの借金を背負わされ。何とか借金取りから現実逃避も兼ねて逃げ回りつつ、地道にお金を稼ぐ日々。

 

「私はあなたと戦ってみたかったんですよ。借金の取り立てはそのついでです」

 

 そんな日々、やってきたのはルクス達の住まうラスベート王国の四大貴族の一つ、ユレイナス家の令嬢のティアリス(表紙右)。認められてはいなかったけれど、ヴァンペールの弟子であった彼女に勝負を挑まれ、借金帳消しをかけて戦い。見事に彼は勝利し、借金を帳消しにして見せる。

 

が、それがなったとしても天涯孤独である事に変わりなく。ティアリスの提案により、ラスベート王立魔術学園という名門に通う事となり。学園長であるアイズ(表紙中央)に力を示し、実質的に負けを認めさせたことで認められ。彼は特待生として入学する事となる。

 

「これからは、私も一緒です」

 

そしてティアリスを案内人兼保護者代わりとして始まる、新しい生活。ティアリスのライバルである「鉄拳聖女」、ルビディア(表紙左)や騎士の家系の次男、レオニダスと友誼を結び。実力主義である学園において、その類まれなる力を示して見せる事で否が応でも注目を集め。あっという間に彼を中心として、賑やかな日々が始まる中。師匠と一緒の世界しか知らなかった彼の世界は、一気に新たな色を増やし、輝きを増していく。

 

そんな世界に影を差さんと迫る無粋な影。後ろ暗い側面を持つ宗教組織、「終焉教団」。彼等の手の者である指名手配の魔術師と、学園にいた裏切り者の手により学園が襲撃され。強大な力に膝を屈したティアリスが連れ去られてしまう。

 

「俺は俺の手の届く範囲の人を守りたい。そのために力を使います。生き様で後悔しないために!」

 

 待ち構えるのは彼の命を狙う、圧倒的な強敵。だが、逃げたくない。後悔したくない。アイズに問われた求めるものへの答えを出し。大切な彼女を取り戻すべく一人敵へと立ち向かうルクス。そんな彼の手の中、師匠より託され借金の原因ともなった神代の名剣、「星剣」が目を覚ます。アイズにわがままと言われた、その求めるものを満たしたルクスの手で神代が如き力が放たれるのである。

 

異世界版「かたかわ」、しかし王道で真っ直ぐなファンタジー。なるほどこれは確かに新境地である。只のラブコメではなく、真っ直ぐなファンタジーという舞台の上でこの作品は踊る、故に二つの面白さが絡み合い、心奪われる面白さがあるのである。

 

心燃えて踊る、真っ直ぐに面白いファンタジーが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

師匠に借金を押し付けられた俺、美人令嬢たちと魔術学園で無双します。 (ファンタジア文庫) | 雨音 恵, 夕薙 |本 | 通販 | Amazon