読書感想:ブレイドスキル・オンライン1 ~ゴミ職業で最弱武器でクソステータスの俺、いつのまにか『ラスボス』に成り上がります!~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は例えばネットの掲示板に載っているようないわゆるガセネタというものに騙されたことはあるであろうか。情報が確かかも分からぬ、ソースすらも不明。そんな情報に騙され踊らされ悔しい思いをした事はあられるであろうか。

 

ファンタジー世界を舞台に、リアリティと美麗さを極限まで追求した新進気鋭、言い換えるならば経験不足な運営陣が作り出したVRMMOゲーム、「ブレイドスキル・オンライン」。このゲームには一つ、面白い特徴があった。それは、幸運値というパラメーターにステータスを振る事が出来るという特徴。

 

この特徴に惹かれた一人の少年がいた。彼の名はユーリ(表紙)。お前は某特異点かと言いたくなるほどに、日常生活で幾つもの不幸に次々と襲われる、幸運値がゼロな少年である。

 

が、しかし。始める前にまた、彼の不運が発動してしまう。彼が選んだ職業、サモナー。彼が選んだ武器、弓。それ等はいずれも最弱の職業と武器であり、しかも幸運値に全振りしてしまった事で他の要素が最弱、更にはアバターをランダムに作ったせいで何故か美少女に。

 

普通だったらアンインストールしていてもおかしくはないかもしれぬこの状況。が、しかし。この三つの不遇な最弱がユーリというステゴロが得意な少年の元に集ってしまった時、何が起きたか。それは、化学反応だ。誰も知らぬ、運営すらも予想しえぬまさかの化学反応がとんでもない事となってしまったのだ。

 

その力を振るうユーリが普通の善良な少年であったのならば良かった、のかもしれない。だがしかし、彼は負けず嫌いだった。単細胞だった。そして何より馬鹿であった。持たせてはいけぬ人間の元に力を持たせてしまったら、大変な事になるのは当たり前である。

 

夜のフィールドに出現するレアモンスターを調教出来たかと思えば、強力に過ぎる矢が生まれたり。

 

巨大なボスモンスターを力づくで攻略したかと思えば、いつの間にか条件を満たしていた事で仲間に加えてしまったり。

 

「俺の名はユーリ。お前たちが最弱と見なした『サモナー』で、『弓使い』で、ついでに『幸運値全振り』のプレイヤーだ! そして・・・・・・今からお前たちを全滅させる者だ――――――ッ!」

 

その結果が結実する、初めて開催された数多のプレイヤーが参加するバトルイベント。数多の魔物達を従え天より宣告するユーリの声が轟く時。戦場は一瞬で地獄へと変貌し、世界は魔王の哄笑と戦士達(あと運営)の阿鼻叫喚の悲鳴に包まれる。

 

どうしてこうなった? と思わずツッコミたくなるかもしれない。 お前は本当に主人公か、これは本当にゲームか、と思わず怒りツッコミたくなるかもしれない。

 

だがしかし、そんなツッコミをしていたら負けである。正しく怒涛の勢いでギャグと笑いで攻め込まれる。

 

その怒涛の勢いを捌き切れる自信のある読者様、勢いのあるコメディ小説が好きな読者様にはお勧めしたい。

 

きっと満足できるはずである。

 

 

ブレイドスキル・オンライン 1 ~ゴミ職業で最弱武器でクソステータスの俺、いつのまにか『ラスボス』に成り上がります! ~ (オーバーラップ文庫) | 馬路まんじ, 霜降(Laplacian) |本 | 通販 | Amazon