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読書感想:ブレイドスキル・オンライン4 ~ゴミ職業で最弱武器でクソステータスの俺、いつのまにか『ラスボス』に成り上がります!~ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、頭のネジが外れた愉快な奴らの繰り広げる狂騒劇が如きこのゲームを題材にしたお話も、今巻で最終巻である。では何が描かれるのか、は画面の前の読者の皆様ももうご存じであろう。世界全土を舞台にした魔王軍と女神軍の激突イベント、「絶滅大戦ラグナロク」が巻き起こるのである。
「おうよ。―――ただし、勘違いするなよ」
前巻の最後、まだ前哨戦ですらない段階にペンドラゴンが見せてきたのは、ユーリ達を模した連中。その連中をぶっ飛ばし、女神軍を排除するまで、という条件の元にスキンヘッドが味方に加わり。結果的に魔王軍のいい宣伝となって前哨戦は終了する。
では決戦を前にやるべきことは何か、それは最後の戦力強化。ヤリーテオとクルッテルオのレベリングの為にいつもの冒険と言う名の虐殺をしていたらアクシデントから隠し高難易度エリアを見つけてしまい。先んじてついていたマーリンとアリスと出会い、一先ず休戦を選んで。陣営に関係なく仲良くドタバタと冒険を繰り広げ、ボスに皆で挑んで。結果的に決戦を前に、超強力な手駒を得ることに成功する。
そんな冒険も束の間に。魔王であるアザトートが出現し、大戦の始まりを告げて。いよいよ幕を開ける絶滅大戦。どんどん安全な場所が無くなっていくと言うルールから逃れるため、世界の中心である始まりの街をまずは奪う事を目指し。魔王軍一丸となって突撃を敢行する。
ここより始まるは、バトルに次ぐバトル。ペンドラゴンの知略と、ユーリのごり押しの策がぶつかり合う、正に世界を壊す勢いで揺らす戦争。まずは小手調べとばかりにライバルが立ち塞がるも、それを片付け始まりの街を制圧し。だがペンドラゴン側が巨大な怪獣が如き魔物達を複数投入し、更には別世界のプレイヤー達もどんどんと姿を現したかと思えば、コリンとシルのようなユーリと敵対を選んだプレイヤー達まで襲来し。正にボスラッシュと言わんばかりの、名勝負ばかりが繰り広げられる。
初期戦力の差は二倍、それを個々の力とごり押しで覆していく魔王軍。そこへ投入されるのは、空から降り注ぐペンドラゴンの切り札。スキンヘッドとザンソードの犠牲により守られ、残った仲間達に送り出され。宇宙まで到達したユーリは、一人待ち構えていたペンドラゴンと相対する。
「お前のためにちゃんと手札は残してきたさ」
既にボロボロ、限界なんて関係ない。残していた最後の切り札を全部投入し、死力を尽くしてぶつかり合う。
「さあ、最高に楽しもうぜ。この、『ブレイドスキル・オンライン』をなぁ!」
そんな全力のド派手な殺し合いが何よりの絆となるこの世界でいつまでも。心のままに殺し合っていくこれからも。最高の好敵手達と。
最後までドタバタに、元気よく駆け抜けていく今巻。最後まで皆様も是非楽しんでいただきたい。