読書感想:スキルトレーダー 【技能交換】 ~辺境でわらしべ長者やってます~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方はわらしべ長者の昔話はご存じであろうか。

 

今の世の中だと知らぬ人もおられるかもしれないので、思いっきり簡単に言うのであれば拾ったわらを次々と物々交換していき最後には豪邸となる昔話である。

 

そんな、ある意味わらしべ長者とも言えるスキル、「技能交換」というユニークスキルを生まれながらに持ち合わせた少年がいた。彼こそがこの作品の主人公であるリューマ(表紙中央)。とある異世界の王国の辺境の開拓村で最強クラスの冒険者だった両親の元に生まれた子供である。

 

「鑑定」スキル、「技能交換」スキル。珍しきスキルを二つ持ち合わせたリューマ。

 

が、しかし。「早熟」スキルという多くの技能を獲得できるも成長を妨げるというスキルがネックとなり、中々彼の技能レベルは成長できずにいた。

 

つまりは彼は、折角のスキルを十分に運用する事が出来ずにいたのだ。そんな彼となるのは、意外な人物(?)である。

 

画面の前の読者の皆様、表紙の左側、兎のようなもふもふの生き物の頭の上を見てみてほしい。

 

そこにいるのは、ファンタジー世界でお馴染みのスライムである。何処からどう見てもスライムである。

 

だがしかし、そのスライムの正体は転生者。日本の高校生だった、リョーマ改めタツマである。

 

元々は色々あって従魔となった角耳兎、モフ(表紙、白いもふもふの魔物)とついでに練習用として捕まえられた何の変哲もないスライム。

 

そこにリューマの身体を乗っ取る形で転生しようとして、彼の咄嗟の機転によりスライムに魂を入れられて生まれた存在、それがタツマである。無論この作品は某転スラではない。

 

何の力も持っていない、ただのスライムなタツマ。だがしかし彼(便宜上)には異世界産の知識があった。その知識を用いて、タツマはリューマをマネジメントする事を提案し、リューマはそれを承諾する。

 

この瞬間、この異世界に生まれたのである。人間の子供とスライムという異色のコンビであり、最強にもなり得る力の持ち主と、それを的確に運用できる頭脳の持ち主という最強コンビが。

 

猫人族であるリューマの幼馴染、リミナルゼ(表紙右端)も加え開拓村でのんびりと続けられる、旅立ちまでの穏やかな日々。

 

だがしかし、その日々は突然行商人を名乗り現れた人魔族の襲撃により崩壊し、強大な魔物との死闘が突然に幕を開ける。

 

タツマ、父さんをよろしく頼む』

『任せておけ、おまえもしくじるなよ。必ず次で決めろ!』

「うん! じゃあ行くね」

 

その戦いの中、リューマとタツマはそれぞれの戦いへと身を投じ、最後はいつも通り二人の、皆の力を合わせて魔物から勝利を掴み取る。

 

これは堂々とした王道的なファンタジーであり、スライムとなった転生者が少年の傍らで知恵を巡らし軍師となる物語であり、最強となれる可能性を持った少年が少しずつ成長をしていくお話なのである。

 

王道的なコツコツ戦うファンタジーが好きな読者様、チームで戦う作品が好きな読者様にはお勧めしたい。

 

きっと満足できるはずである。

 

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