読書感想:俺のアパートがダンジョンになったので、最強モンスターを従えて楽々攻略 大家さん、従魔士に覚醒したってよ

 さて、画面の前の読者の皆様は「ダンジョン」という単語を聞いて、どんな場所を連想されるであろうか。例えば魔王城のような、強力な魔物が次々と現れる場所であったり、迷宮のような罠も宝物も潜んでいる、迷わしてくる場所であろうか。はたまた現実世界のダンジョンと言われる、とある電車の駅であろうか。その答えは、皆様の答えにお任せするとして。 ラノベの世界においては、ダンジョンと言うものは時に現実世界にも表れる、というのは皆様もご存じであろう。

 

 

この作品もまた、そんな作品であり、タイトル通りのお話なのである。

 

地球規模で影響を与え、世界人口の三割が失われた大地震。その後、生存者の三割ほどが「職業技能」と呼ばれる不思議なスキルを身に着け。更には所有者不明の廃墟等に、一般的にイメージされる「ダンジョン」が発生するようになり。「職業技能」を持つ者、「超人」が国が設立したDMU、正式名称「迷宮管理部隊」が管理するダンジョンに挑むようになった世界。 偶々飛行機に乗っていたから難を逃れた青年、藍太(表紙中央)もまた「超人」ではあるがその「職業技能」が分からず。結果的に両親が遺したアパート、「シャングリラ」の管理人として過ごしていた。

 

「俺は従魔士だったのか」

 

 そんなある日、彼は「シャングリラ」の一室がダンジョンに変異していたと偶々知る。 何故か落ちていた本、頭の中に聞こえてきたのは彼は「従魔士」、つまりはテイマーであると言うアナウンス。 チュートリアルと言わんばかりにその場にいたバンシーをテイムし、サクラ(表紙右)と名付け。一先ずDMUに所属する幼馴染、茂に連絡を取り。彼が調査に来る中、このダンジョンの特異な点が次々と判明する。

 

それはまず、このダンジョンは藍太が扉を開けねばダンジョンに繋がらないという事。そして何故か、このダンジョンにはレアモンスターが一杯いる、という事。元レディース総長の冒険者であり入居者である舞(表紙左)の護衛を受けながら、少しずつ探索する中。藍太もテイマーとしてサクラを戦力とし、戦いに加わる。

 

サクラの強み、それは無条件の幸運の吸収。 即ち強制的に不運に叩き込むと言う事。その力が、強みとなり。レベルアップする中で種族がどんどん進化し、更には「掃除屋」と呼ばれる特殊なモンスターであるリル(表紙左)も仲間になり。

 

 

どんどんと進んでいく探索、その中でDMUからの出向者として、司という青年と麗奈という女性が仲間になり。盗撮を切っ掛けに世界から注目を集めていく中、クランを結成する事になり。更には最強格の一角のクランから、攻略のお手伝いを頼まれたり。

 

「時間はたっぷりあるんだから、慌てずゆっくり慣れてもらってくれ」

 

どんどん大きくなるパーティ、だけど望むのはこの皆で歩んでいく日々。 そんな、肩の力を抜いて楽しめる爽快感があるこの作品。

 

すっきりと読める作品が見てみたい読者様は是非。 きっと貴方も満足できるはずである。

 

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