読書感想:『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ ~迫害された少年の最強ざまぁライフ~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方はもし、明日世界にファンタジー世界にしかいない筈の魔物が世界に溢れて世界が崩壊したとしたら、生き延びられる自信はあられるであろうか。誰かとの合流を目指すなら、誰との合流を目指すだろうか。

 

とある世界の地球の日本。いつまでも続くはずだった平凡で平穏な日常はある日突然崩れ去ってしまった。その理由とは、突然何の前触れもなく、世界各地に異世界の魔物達が溢れ出し、人間達の蹂躙が始まってしまったからである。

 

だがしかし、これは蹂躙であっても侵攻には非ず。急に見知った筈の場所がダンジョンコアというものによりダンジョンと化してしまう、というまるで天災のような現象がこの事態の正体である。

 

そんな日本のとある街。一人力強く生き抜く少年がいた。

 

彼の名は日呂(表紙右から二人目)。普通の目立たぬながらも心優しい気性を持っていたが、理事長の孫という暴君に目を付けられ折れなかったが故に全生徒から孤立し、それでも屈する事無く生き抜いてきた少年である。

 

いつも通りの苛められる灰色な日常が唐突に崩壊し、冷静に家へと逃げ帰って。

 

状況整理の途中、彼の中に眠っていたユニークスキルは突如として覚醒を迎える。そのスキルは、まるでラノベの主人公のようにチートな力ではなかった。だが確かに役立つスキルだったのである。

 

そのスキルの名は「ショップ」。等価交換という言葉の通り、対価をきっちりと収める事で異世界のものでも現実世界のものでも手に入れられる力。

 

日呂に取って幸運だったのは、彼が最初からそのスキルをある程度運用可能な資産を有していたという事。そして力に溺れる事無く、冷静にスキルを運用できる気性の持ち主だったという事である。

 

人間への期待を失い、何処か覚めた彼の力となり、心の救いとなるのは、かつての級友であった恋音(表紙左端)、ではなく異世界から来た使い魔、ソル(日呂の肩の上)。

 

だがしかし、彼の心の何処かには残っていた感情があった。それは、期待していないと言いながらも誰かを最後まで見捨てる事のできない「優しさ」という名の強さ。

 

そのスキルで商売を開始し、誰かに何かを売りつけたりをしながらも時に偽物の姿と名前で「再生師」と嘯き、足が動かなくなっていた少女を救い。

 

「お前に命乞いする資格なんてねぇよ」

 

そして、自分を苛めた元凶である不良に囚われた恋音の妹、まひなを救うべくソルと共にダンジョンと化した公民館へと突入し、ついでとばかりに不良との決着をつける。

 

これは人間嫌いになるまで歪みながらも、何処か人間臭い優しさを残した少年、日呂が魔境と化した現実世界を悠々と生き抜いていくお話であり、彼が信用できる仲間を作り自分の世界を作っていくお話なのだ。

 

一風変わった面白さ、因果応報の爽快感。そんな面白さを見てみたい読者様は是非読んでみてほしい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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