読書感想:『レベル』があるなら上げるでしょ? モブキャラに転生した俺はゲーム知識を活かし、ひたすらレベルを上げ続ける

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さて、夜分遅くに突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方はRPG系のゲームは何を楽しまれるタイプであろうか。仲間を集め、ストーリーを攻略される事を好むであろうか。それとも、ひたすらレベルを上げる事を好まれるであろうか。

 

少なくとも、この作品の主人公である亨(表紙中央)は後者である。レベル上げが大好きで命を賭けられるような主人公である。

 

そして彼は真性のゲーム狂である、そして人種で言うならヒャッハーな系列の人種である。

 

そんな彼が転生してしまったのは自分が一番よく知るゲームの世界。だが彼は主人公に非ず、そこらに十把一絡げでいくらでもいるであろう筈のモブとなった。

 

しかし彼は最高だと言わんばかりに目を輝かせ、自分の手で実際にレベルを上げられる事にノリノリになって取り組んでいくのである。

 

剣聖の正体を知らないとは言え、ボーナスおじさんなる渾名で呼んでお互いに目を爛々と光らせながら激突したり。

 

経験値の前に人間関係なぞ面倒くさいと言わんばかりに、ダンジョンへ不法侵入を繰り返したり。

 

そんな中、作中でも屈指の強さを持つヒロイン、碧(表紙左)に目を付けられて付きまとわれ。

 

彼女と共に死んで冥界へ送られ、警護を務めるアイリス(右)に目を付けられたかと思えば、冥界の神、アヌビス神の家族絡みのごたごたに巻き込まれたり。

 

普通に考えれば、ストーリーチャートなんぞ知った事かと言わんばかりの蛮行であり、絶対に主人公よりも主人公しているのではないかと言わんばかりの、八面六臂の大活躍。しかし彼の心の中にあるのは只一つ、レベル上げのみである。

 

「ボスを使った実戦式レベリングの時間だァ! 那由多の果てに散ろうとも、俺が満足するまで付き合ってもらうぜ!!」

 

「その首寄越せや経験値(ルビ:クソ野郎)ォォォ!!」

 

一巻のボスである神に怯えるどころか嬉々として言い放った台詞がこれである。最早清々しいばかりにレベル厨である。

 

だけど、ワクワクしないだろうか? 心が躍らないだろうか?

 

ゲームの一つの醍醐味、それを極限まで突き詰めていけばこんなにも面白い。

 

そう言わんばかりのドタバタな狂騒劇であり、だからこそ何だかんだと爽快感と熱さがこの作品には溢れ出しているのかもしれない。

 

主人公に振り回される周りのキャラが楽しみたい読者様、爽快感と熱さ溢れるバトルが読みたい読者様は是非読んでみてほしい。きっと満足できるはずである。

 

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