さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は将来のAI世界に何か望みはあるであろうか。どんな世界になってほしい、そんな望みはあるであろうか。
大企業であるACME社が富士山の麓に築いた、ありとあらゆるものがネットワークでコントロールされた最先端の街である実験都市。その開発に携わった科学者を両親に持ち、自身も天才プログラマーの片鱗を見せる少年、尋(表紙左)。
ある日、彼は突然ガチムチなマッチョに襲われるという修羅場に見舞われる。そんな彼を救ったのは、謎の少女、イヴ(表紙右)である。
彼女は言う、未来の歴史の行方は尋の童貞の行方に左右されていると。
一体どういう事なのかと言うと、将来的に身体を得てシンギュラリティの果てに自我をも獲得したアンドロイド、エクスマギアと呼ばれる存在がナノマシンを用いて人類の男性のみを滅ぼしてしまったと。
何を言っているか分からないかもしれないがつまりはそういう事であり、彼が童貞を捨てるか、それとも童貞を狩られるかによって未来が変わってしまうという事。
そして未来を守る為、尋の中学からの意中の相手である美沙姫へとアプローチをするのを手伝う為、イヴはサポートを申し出る。
が、しかし。そう簡単にはいかぬのが物語の常であるのが当たり前であり、当然のように様々なトラブルとハプニングが巻き起こる。
イヴの充電方法が尋のムスコを使った充電方法であったり。様々なトラブルを美沙姫に目撃されて誤解に次ぐ誤解を招いたり。
更には謎の転校生、アンナに恋人になれと迫られその場面をまた目撃されて誤解を招いたり。
そして何とか辿り着いた美沙姫とのデートの中、判明するのはアンナの正体。巻き起こる戦いの中、敗北し消えゆこうとする彼女の最後の願い。
「俺は・・・・・・アナを助けたい」
だがしかし、尋は彼女を助けたいと願い。
「私の好きな人はそんな人じゃないです」
その背を押すかのように、イヴは敢えて厳しく告げ彼の背を押し。
彼は成し遂げる。実験都市全てを用いた奇跡的な作戦を。
ド直球に性的なネタをこれでもかと炸裂させていて。更に真っ直ぐにドタバタを展開させていて。だがそんな中に純粋な想いとAIのままに頑張る尋が、何処か格好良いのがこの作品である。
ドタバタなコメディを楽しみたい読者様、性的に迫ってくるヒロインが好きな読者様。SFな作品が好きな読者様には是非読んでみてほしい。
きっと貴方も、満足できるはずである。