読書感想:僕をこっぴどく嫌うS級美少女はゲーム世界で僕の信者

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方は鬼畜な難易度のゲームに挑んで何か思ったことはあるだろうか。理不尽だろうか、それともワクワクする気持ちだろうか。

 

そんな某恐竜世界サバイバルゲーム(私はよく知らない)を元にしたゲームにのめり込み、不登校になってしまったヒロイン、美加(表紙)。そんな彼女を引っ張り出す為に彼女が潜るゲームに飛び込む事になるのが主人公である真澄である

 

この真澄という主人公、将来の夢は内閣官房長官という珍しい夢を持っている。その為か、ヒロインである美加を引っ張り出そうとする理由も色恋など一切なく、内申点の為と言う打算バリバリの理由である。

 

そしてこの作品は、主人公とヒロインがそれぞれの正論をぶつけ合い、互いに影響を与え合いながら少しずつ変化していくのが根底にある作品である。

 

打算バリバリで接触して、正論で打ちのめされて。従妹のアカウントを利用して再び近づいて、また喧嘩して。

 

「君は僕を利用し、僕は君を利用する。それでいいじゃないか」

 

色恋なんてない、打算と計算、お互いを利用し合うという契約を持ちかけて。

 

ぶつかり合ってもう一度チームとなり、美加のかつての相棒が遺したメッセージを探してダンジョンを突き進んで。

 

そんな奇妙な連帯感で駆け抜ける中、機転と知恵を生かして抜け道的な戦闘スタイルを見出していったりして。

 

そして合理的を飛び越え、非合理的だとしても選ぶように心が変化していく。

 

そう、この作品は酷い理不尽な世界で、それでも絆を信じて遊んでいく、遊びと成長の作品なのである。

 

さっぱりとした読み味が欲しい読者様は是非。きっと楽しめる筈である。

 

 

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