読書感想:竜馬がくる

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さて、画面の前の読者の皆様に一つ質問したいが、貴方は坂本龍馬という偉人についてどれほどの事をご存じであろうか。彼に対して、どんな印象を抱かれているであろうか。

 

幕末ごろにかけてを描いたドラマであれば大抵の場合出てくると言っても過言ではない彼、坂本龍馬。彼がいなければ明治維新という革命は成り立たず、しかし革命の夜明けを前にしてその短き命を散らした偉人である。

 

そんな彼が生きていた。それだけであれば題材としては普通かもしれない。死ぬ前の彼が何処かに転移した。ここまで来るとあまりないかもしれない。しかし、それが18世紀のフランス、革命の夜明けが来る途中の混沌に見舞われた暗黒時代であれば誰も見たことのない題材へと変わる。

 

そんな暗黒時代、龍馬の生きた時代の前。もしこの時代の歯車が狂うような事あれば龍馬の生きた時代も狂ってしまう。

 

そして、彼の前に現れ彼の相棒となるのは皆さまご存じ、風雲児にして革命の英雄、ナポレオン。しかし彼は恋愛小説家志望の優男というよくあるイメージからはかけ離れた人物だった。

 

ナポレオンがそんな人物だったからさぁ大変、このままでは革命の時代が到来しない。そこで龍馬は思いついた。そうだ、ナポレオンを奮い立たせるためにかの有名な悲劇の王妃、マリーアントワネットを救出して見せようと。

 

しかし、ここで思い出してほしい。そんな歴史はない。しかしそれを行ってしまうとどうなるのか。それこそ、誰も知らない歴史の始まる歴史改変という事態である。

 

そしてそれはユリシーズを経て春日みかげ先生が解禁した一つの禁じ手。だからこそその役目を担えるのは龍馬だけだったのである。

 

腑抜けなダメンズ、ナポレオン。そして国際ペテン師、ハッタリと知恵と策略で生きてきた一種の黒幕にして狂言回し、坂本龍馬

 

二人が相棒同士として駆け抜けるは暗黒の時代。出会っていくのはそれぞれの志に芯を秘めた時代を生き抜いた偉人達。

 

黒幕である事こそ我が本領と言わんばかりに革命の士を間を駆けまわり炊きつけ、時には海軍を指揮して殴り込む。

 

「もう、友を哀しいかたちで失うのはごめんぜよ」

 

失いたくない、だからこそ今度もまた成功に導くために龍馬は革命の荒海の中を駆け抜ける。

 

オリジナルの人物がおらず偉人だらけ、更には明確なヒロイン不在の偉人同士のバディもの。これだけ聞くとこの作品は異色である。しかし異色だからこそ、誰も知らない面白さのある作品である事は間違いない。

 

歴史ものが好きな読者様、ただのラノベには興味ない読者様は是非。きっと満足できるはずである。

 

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