読書感想:捨て猫勇者を育てよう ~教師に転職した凄腕の魔王ハンター、Sランクの教え子たちにすごく懐かれる~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様はどの程度の年頃の異性が好みのタイプであろうか。若いもとい幼い方がよいだろうか、それとも年上の方がよいだろうか。

 

ゑ、何故このような直球の質問をぶつけてくるのかって? それはこの作品が、ロリハーレムを描きたいという欲望丸出し、リビドー全開で書かれているからである。

 

とあるファンタジー世界、その世界でかつて天才凄腕勇者として名を馳せ、現在は勇者学院の教師を務める青年、ブレット。そんな彼は陰険で陰湿な勇者協会の重鎮、サイラスの手により辺境の勇者学院へと左遷されてしまう。

 

勇者学院とは名ばかりのボロ小屋。そんなみすぼらしい場所にはまるで捨て猫のような三人の少女がいた。が、しかし。そこにいたのは捨て猫捨て猫でも天才的な捨て猫だったのである。

 

恐るべき身体能力と学習能力を持った未完の天才剣士、リオ(表紙真ん中)。

 

全距離対応の万能型、可能性を秘めた神子、イリス(表紙左)。

 

可能性の塊なセンスを秘めた魔法の天才、メイファ(表紙右)。

 

彼女達と出会い、まずは身なりを整えさせ、指導の中で三人の天才性に触れていき彼女達を世界最強へと導く事を誓うブレット。

 

 

 そんな彼の格好いいだけではない人間性に触れ、捨て猫のように警戒心丸出しだった彼女達は心の壁を解いていき、徐々に彼へと惹かれていくのである。

 

一年間、共に過ごす中で彼の人間性を知っていき。

 

恩人として感謝し、強敵を軽々と討伐する彼の姿に惚れ惚れし、彼無しの生活なんて考えられない程にハマっていって。

 

だけど彼の好きと、自分達の好きは違う。それは分かっているからこそ、どうすれば並び立てるのかと悩んでみたり。

 

「でもよ・・・・・・!」

 

「私たちだって・・・・・・!」

 

「・・・・・・負けるわけには、いかない」

 

だけど、彼が大事なのは確かで彼とずっと一緒にいたいのも確かだから。だからこそ、例えブレットという憧れと激突する事になろうとも、自分達の全力を以て立ち向かえるのである。

 

それこそは彼に教えられた、大切な事の体現。

 

三人の可愛い少女達に好かれたい読者様。少女達が譲れぬものの為に戦う、そんな姿が好きな読者様。

 

そして、想いの矢印は一方通行なラブコメが好きな読者様。

 

ファンタジーが好きな読者様にも是非お勧めしたいこの作品。

 

是非、肩の力を抜いて読んでみてほしい。きっと、貴方も満足できるはずである。

 

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読書雑記:七月ももう終わります、なので今月末から来月の頭にかけて発売される新刊の中から個人的期待の新作及び続刊についてのお話。

こんばんは。今日も画面の前の読者の皆様に感想を届ける読書人、真白優樹です(唐突なラジオ風の挨拶)。本日はそろそろ新刊の発売時という事で・・・いえ、もう発売しているレーベルがあるかもしれませんが、私は未だ購入しておりませんのでノーカンとさせていただきたいです。という訳で、今月末から来月の頭、初旬にかけて発売される新作の中から個人的期待の新作及び続刊について話したいと思います。

 

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捨て猫勇者を育てよう ~教師に転職した凄腕の魔王ハンター、Sランクの教え子たちにすごく懐かれる~

著:いかぽん先生 絵:有河サトル先生

 

まず初めはファミ通文庫から。こちらの作品は、かつてファミ通文庫で作品を出されていたいかぽん先生の新作となります。今作はどうやら育成ものとの事で、どんな育成が繰り広げられるのか楽しみにしたいですね。

 

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伝説のおねえさんたちが、勇者のいうことを聞いてくれないのですが 著:嬉野秋彦先生 絵:てつぶた先生

 

続きましてはこちらの新作。画面の前の読者の皆様もお名前を聞いたことはあるのではないでしょうか、嬉野秋彦先生の久しぶりの新作となります。果たして、どんな作品となるのか。楽しみです。

 

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魔性の男を目指します2

著:立花先生 絵:カット先生

 

続きましてはモンスター文庫より、このブログでも感想を書いた作品の続刊となります。前巻では中々に笑えるコメディが繰り広げられていたので、果たして今巻ではどうなるのか。楽しみです。

 

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とってもカワイイ私と付き合ってよ!

著:三上こた先生 絵:さいね先生

 

ここからはスニーカー文庫の作品です。まずはこちら、同時に二作品で新人賞を受賞した作品の片割れ、ラブコメ側の作品です。果たしてどんな可愛さがあるのか。期待したいですね。

 

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魔女に育てられた少年、魔女殺しの英雄となる 著:クボタロウ先生 絵:ファルまろ先生

 

続きましてはこちらの作品。タイトルは少し違いますが、小説家になろう原作の小説です。果たして、どんなファンタジーなのか。ファンタジー好きとしては楽しみです。

 

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最弱無能が玉座へ至る1 ~人間社会の落ちこぼれ、亜人の眷属になって成り上がる~ 著:坂石遊作先生 絵:刀彼方先生

 

では今度はHJ文庫の新作です。こちらも小説家になろう原作の人気のハイファンタジーに分類される作品です。果たして落ちこぼれの少年がどう成り上がるのか。個人的に楽しみです。

 

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すぐぎゅっとしてくるギャルのお姉さんは好きですか? 著:草薙アキ先生 絵:湊良弘先生

 

 

最後は講談社ラノベ文庫よりこちら。時々名前をお見かけするであろう草薙アキ先生の新作です。果たして、年上ギャルとどんなラブコメをするのか楽しみですね。

 

以上、期待の七作品でした。ではまた読んでいきましょう。

読書感想:勇者リンの伝説 Lv.2 勇者二人に挟まれて体育祭という名のクエストに挑むわけだが。

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前巻感想はこちら↓

https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/07/27/235929?_ga=2.105183939.1916457607.1595426379-1866782838.1445014628

 

さて、いきなりだが体育祭である。前回、ちょっとした大冒険を繰り広げたカイとリン達の次の舞台、それは学園内の大きなイベントの一つである体育祭である。では、勇者学園の体育祭とは一体どんなものなのか?

 

三人一組で挑む体育祭。しかしそれは本当に勇者学園なのかとツッコミたくなるような耳を疑うような、ギャグに満ちた競技の数々だったのである。

 

何故に競技の内容が就職面接なのか。それは確かに大切ではあるけれども。

 

何故、競技の内容が夫婦喧嘩なのか。確かに将来経験するかもしれないが。

 

そんな人生の障害物競走や、パンを守り抜くパン食い競争、水上騎馬戦といった普通の競技とは何癖も違う競技の数々。

 

競技を繰り広げる中、騒動が多めに混じった笑いだらけの競技を駆け抜ける中、明らかとなるのはライバルの勇者、クロトの秘密である。

 

優秀である事に拘る、勇者課程の優等生。しかし、その姿はどこか痛々しく、まるで無理して振る舞おうとしているかのように、どこか歪なものを感じさせる。

 

それは何故か。その理由こそがクロトの秘密。亡くしたものを必死に抱え、目指したものを目指すと決めた、一人の勇者の卵の茨の道。

 

その痛ましさへと、再び否を突き付けるのが我らがヒロインであるリンである。

 

魔物に話は通じない、だからこそ魔物は倒すべき敵。そして魔物を葬り去る事こそ勇者の使命。愚直なまでに正義を信じ、襲い来る魔物を殲滅しようともがくクロト。

 

「助けるよ」

 

しかし、そこで否を突き付け魔物にも心が、声があるのだという事をリンは知らせ。暴走する魔物を止める為に、何も持たぬその手で立ち向かう。

 

だからこそ彼女は偉い。そして、そんな彼女だからこそ誰かが助けようと思い、その周りへと集ってくるのだ。

 

前巻から更にコメディへと舵を切り、前巻にも増して繰り広げられる七転八倒、抱腹絶倒の大騒動。だけど、そんな中でも頑張るカイとリンの活躍が更に眩しく熱いのである。

 

前巻も併せて、どうか画面の前の読者の皆様も読んでみてほしい。古き物語の中にもある面白さを再び実感できるはずである。

 

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読書感想:勇者リンの伝説 Lv.1 この夏休みの宿題が終わったら、俺も、勇者になるんだ。

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は冒険に、勇者に憧れるだろうか。もし勇者として戦えるとして、突然にその道が目の前で閉ざされたら貴方はどうするだろうか。

 

とある異世界冒険者養成機関、ユースタシア学園。そこに所属する二人の幼馴染同士の少年と少女が、進路決定の儀式において、運命的な出来事に遭遇した事よりこの作品は始まる。

 

少年の名はカイ。勇者になりたい、剣術は一角のものであったのに、何故か勇者の活躍を物語に記す伝記士となってしまった少年。

 

そして、何の素質もないのに何故か勇者に選ばれてしまったカイの幼馴染の少女、リン(表紙)。

 

夏休みもあと十日で終わろうかと言う頃、己の文才の無さに苦しんでいたカイはアリスから勇者課程の夏休みの宿題、クエスト五つ達成の手伝いを依頼され、冒険の為の5ステップを共にこなす事となる。

 

しかし、変わり者な二人の周りに集まったのも、また変わり者な二人の仲間であった。

 

遊ぶことが生きがいと語る脱ぎ癖のあるニートな元戦士、ジル。

 

ドSな限りの、何故か異世界の一般人しか召喚出来ない召喚士、ニーナ。

 

凸凹にも程がある落ちこぼれパーティ。そんな彼等がクエストの中で出会っていくのは今の世界の真実と、魔物達の真実。

 

今はもう、平和なのだから。ユースタシア学園卒業と言う肩書があっても必ずしも有利とはなりえず、それどころか勇者はもう飽和状態。

 

そして人類にとっての悪である魔物にも心があり思いがあり、叶えてほしい願いがあったのだ。

 

魔物達の真実に触れ戸惑うカイとリン達。そんな彼等に竜の王が告げるのは世界の真実。

 

魔物は決して悪に非ず、悪であるのは寧ろ人間。だからこそ魔物は自分達の世界を作る事を望む。

 

しかし、そこへ待ったをかけるのがリンであった。

 

魔物は悪であると思っていたカイは聖剣を抜けた。それは彼が魔物を殺せる勇者であるという証。

 

しかし、リンは。自らの剣はなまくらでしかない彼女は。何も持たぬからこそ魔物達にも寄り添える心を持っていた。魔物も人間も関係ない、救いたいから救うと叫べる心と気概を持っていた。

 

「勇者だから」。その一言でどんな魔物とも語り合おうとする彼女もまた勇者。殺し合うだけではない、何も殺せぬが故に語り合える彼女は正に、新たな形の勇者なのだろう。

 

これは凸凹な四人のパーティが七転八倒したり賑やかに大騒ぎを繰り広げながら、世界を周る物語であり、華はなく後世に笑われるかもしれないけれど、それでも確かに勇者の物語なのである。

 

画面の前の読者の皆様、躊躇わずに読んでみてほしい。今も尚褪せぬ面白さに出会える筈である。

 

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読書感想:俺は星間国家の悪徳領主!1

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突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方は基本的に善人であろうか悪人であろうか。もし善人だとするならば、貴方は悪人になってみたいだろうか。

 

とある地球に一人の男がいた。只の善人、それだけが特徴の平凡な男は自らの妻にも上司にも裏切られ、それすらも気づかず哀れに踊り続けていた。そんな彼は、案内人と名乗る謎の男により導かれ、SFとファンタジーが融合した世界へと転生させられ、星間国家の片隅の星を支配する貴族の子、リアム(表紙中央)として生を受けた。

 

前世は善人だったからこそ損をした、だからこそ今回の生では悪徳領主として生きようと決意するリアム。しかし哀しいかな何の因果か、五歳にして継がされた領地はもう搾り取れない程に枯れ果てた領地だったのである。

 

そもそも騎士もいなければ、自前の艦隊は稼働率二割。更に領地は内々尽くし。そんな領地じゃ何も出来ぬ。だからこそまずは豊かにしようと、アンドロイドのメイド、天城(表紙右)と共に改革を断行するリアム。

 

しかし哀しいかな。幾ら悪を志しても惡になり切れぬ程に、彼は前世も今も善人だったのだ。更にはいきなり領主と言われても、と言わんばかりに前世からの小市民性が足を引っ張ってくるのである。

 

だが、だからこそその改革は革命的でありながらも、民の願いに沿った良心的な改革となる。

 

案内人の嫌がらせで、剣客とは程遠い詐欺師が師匠としてやってきてしまったかと思えば、僅かな時間で剣技を自らのものとしてみせ。

 

旧式機の魔改造機な専用機、アヴィド(表紙右端)を宛がわれたかと思ったら、僅かな時間で機体を己の手足のように動かして見せ。

 

成長性と素養抜群、更には根っからの善人。これで名君にならぬと言われる方が無理である。

 

そんな彼は、必死で悪として振る舞い悪逆を見せつける為に、宇宙の海を股にかける戦闘ともなれば全軍突撃、更には最前線で一人の騎士として無双の限りを尽くす。

 

「さて、次の獲物はど~こかな!」

 

その目を爛々と光らせながら、戦闘を楽しみながら。立ち塞がる敵を嬉々として蹂躙していく。

 

そんな彼の姿は、領民誰にとっても眩しいもので。だからこそ、亡国の姫騎士、ティア(表紙左)を始めとした頼れる仲間達がその周りへと集う。

 

 

 この作品はスペースオペラである。SFである。そして小市民的な領主が勘違いと誤解を積み重ねながら、類まれなき名君として成り上がっていく作品である。

 

その裏、思惑が悉く外れきりきり舞いし困らされる案内人の苦悶に笑うと面白い作品である。

 

心熱くなる作品、勘違いとすれ違いで笑いたい読者様は是非。きっと満足できるはずである。

 

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読書感想:異世界、襲来 02 王の帰還

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前巻感想はこちら↓

https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/06/25/234357

 

 

ヒーローとは誰の為、何の為のヒーローか。求められるのは希望となる事。だけど仮面の下の心は確かに英雄であるのか。

 

前巻の最後、新たなる大魔術師、クアルダルドに客人として囚われ、彼の希望により彼の取って置きの使い魔との戦いの中、隙をついて逃亡したユウとアイン。二人はようやく仲間達と合流し、水上租界で一時の安らぎを得る。

 

しかし、その心に去来し風の王との不和を齎すは正義への疑念。何故自分がヒーローとして戦うのかという思い。

 

確かに彼は受け継いだ。ルドラという全てを黙らせることもできる最強の力を。だけど誰も、ヒーローとしての心構えなんて教えてくれなかった。

 

なのに容赦なく、人々は着装者三号という偶像に希望を見出し、英雄である事を押し付けてくる。希望となれ、そして戦えと。

 

だけどその希望になれと望んでくる者達は決して綺麗な者ではない。水上租界だって平和に見えても、人とエルフの不和が存在しエルフへの疑念を持つ人もいれば、己達の手に権力を持とうと動く輩もいる。

 

それこそは見たくもないのに見せられている、人の心の闇。そんな奴等の希望にまでなる必要なのかと悩むユウの心理は当然であるのかもしれない。だって彼はまだ少年だから。

 

そんな彼を戦いにおける先導者として導くはなつきの役目。まだ高校生の身でありながら各地を放浪し様々な地獄を見てきた彼女だからこその役目。

 

「手のとどくところにいる『みんな』をできるかぎり、全力で守るってだけだもん」

 

彼女が示す道筋は、今力を手にしたユウだからこそ出来る、とても簡単な道。そして清濁併せ吞むのならばせめて仮面を被って。自分ではなく、着装者三号として。

 

「・・・・・・着装するよ、三号」

 

そして覚悟を以て愛機の名を呼んだその瞬間。

 

確かに彼は仮面のヒーローとして新生したのだ。そして一人の諸人を魅せる王が、ここに帰還したのである。

 

王は一人では全ては出来ぬ。だからこそ諸人を魅せ導き、そして自らの仲間達と共にヒーローとなる。

 

一人じゃない、いつの日も、何処までも。だからこそヒーローは希望を背負って戦える。

 

その彼の背を支え共に並び立つかのように、なつきの手に舞い降りるは六の数字を冠された最強の力。万雷を従えし絶対の矛。

 

全員の力を結集し挑む敵は、大魔術士の一人、獅子の魔女、スカールシャンス。

 

一巻だけでは半分にも満たぬ、この巻も含めて一つのプロローグであり、一人の王の復活が確かに示されるのである。

 

前巻を読まれた読者様は今すぐにでも、これから読むという読者様は今からでもすぐに読んでみてほしい。

 

本当のお楽しみは、きっとここから。

 

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読書感想:『レベル』があるなら上げるでしょ? モブキャラに転生した俺はゲーム知識を活かし、ひたすらレベルを上げ続ける

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さて、夜分遅くに突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方はRPG系のゲームは何を楽しまれるタイプであろうか。仲間を集め、ストーリーを攻略される事を好むであろうか。それとも、ひたすらレベルを上げる事を好まれるであろうか。

 

少なくとも、この作品の主人公である亨(表紙中央)は後者である。レベル上げが大好きで命を賭けられるような主人公である。

 

そして彼は真性のゲーム狂である、そして人種で言うならヒャッハーな系列の人種である。

 

そんな彼が転生してしまったのは自分が一番よく知るゲームの世界。だが彼は主人公に非ず、そこらに十把一絡げでいくらでもいるであろう筈のモブとなった。

 

しかし彼は最高だと言わんばかりに目を輝かせ、自分の手で実際にレベルを上げられる事にノリノリになって取り組んでいくのである。

 

剣聖の正体を知らないとは言え、ボーナスおじさんなる渾名で呼んでお互いに目を爛々と光らせながら激突したり。

 

経験値の前に人間関係なぞ面倒くさいと言わんばかりに、ダンジョンへ不法侵入を繰り返したり。

 

そんな中、作中でも屈指の強さを持つヒロイン、碧(表紙左)に目を付けられて付きまとわれ。

 

彼女と共に死んで冥界へ送られ、警護を務めるアイリス(右)に目を付けられたかと思えば、冥界の神、アヌビス神の家族絡みのごたごたに巻き込まれたり。

 

普通に考えれば、ストーリーチャートなんぞ知った事かと言わんばかりの蛮行であり、絶対に主人公よりも主人公しているのではないかと言わんばかりの、八面六臂の大活躍。しかし彼の心の中にあるのは只一つ、レベル上げのみである。

 

「ボスを使った実戦式レベリングの時間だァ! 那由多の果てに散ろうとも、俺が満足するまで付き合ってもらうぜ!!」

 

「その首寄越せや経験値(ルビ:クソ野郎)ォォォ!!」

 

一巻のボスである神に怯えるどころか嬉々として言い放った台詞がこれである。最早清々しいばかりにレベル厨である。

 

だけど、ワクワクしないだろうか? 心が躍らないだろうか?

 

ゲームの一つの醍醐味、それを極限まで突き詰めていけばこんなにも面白い。

 

そう言わんばかりのドタバタな狂騒劇であり、だからこそ何だかんだと爽快感と熱さがこの作品には溢れ出しているのかもしれない。

 

主人公に振り回される周りのキャラが楽しみたい読者様、爽快感と熱さ溢れるバトルが読みたい読者様は是非読んでみてほしい。きっと満足できるはずである。

 

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