読書感想:サキュバス四十八手2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:サキュバス四十八手 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、「サキュバス四十八手」とかいうエロ、つまりは性行為が全面的に重要となってくるこの作品、大丈夫か、と思わず聞きたくなるくらいにエロいのは画面の前の読者の皆様も前巻を読んでいればご存じであろう。しかし、この儀式、どうも魔族側からみれば救世の儀式、ではないというのも仄めかされていた訳で。根底はエロ、かと思いきや根っこは普通にシリアス、そして謎ばかりというのがこの作品な訳である。

 

 

そして、四十八手なるものを調べられた読者様であれば現実の四十八手、というのは現代においては無理難題、というパターンも多いのはご存じだろう。この作品におけるサキュバス四十八手、もやっぱりとんでもないのがある、というのが分かるのが今巻なのだ。

 

「流行ってんの、それ?」

 

前巻、護衛としてアベルたちの周りに仕えることになったメイド、アンリ。常に無表情、感情も読めぬが気付いたら気配もなく傍に居る。そんな彼女に振り回されたりしながら、次なる四十八手へ。第五手、指定された体位でお互いの性器を舐めあい、満腹になるまで体液を飲み合うという「フタツドモエ」はあっさり成功するも、第六手目で、いきなり躓きが発生する。

 

その六手目とは「ウシロヤグラ」。とても簡単に言わせれば一千人に見られながら性行為して、自分達と同時に全員絶頂させろ、というどう考えても難しいもの。そもそも国の法律として性器を公衆の面前で露出させれば一発御縄。

 

 

「法律にも穴はあるんですよ」

 

と、いう訳でつくならば抜け穴を突きましょう。録画映像に見せかけたライブ映像、それを一千人に同時配信し手を使わずに絶頂させようと言う方針に落ち着き。有名な映像監督の力も借り配信には成功するも、その映像を見る回に招待されていた勇者パーティの心を傷つけてしまい。人間関係に軋轢が生じてしまう中、次なる手へ。

 

次なる一手は「コタツガクレ」。必要なのは「霧の宝玉」というお宝。それを作るのに必要なのは、国家間で手出しが禁止された協定が結ばれた「霧の龍」。そこにいくにはどうしたって勇者パーティの協力が重要で。どこかちぐはぐな空気の中、霧の龍が住まう森へ。

 

「傷つけてしまって、ごめんなさい」

 

割り切れぬ心と、生まれたばかりのもやもやがぶつかり合って、きちんと謝り合って仲直り。しかし霧の龍が住まう森、そこに儀式を邪魔するために襲ってきたのは魔族、ニャルラ。策略によりアンリとアベル、二人きりとされ追い詰められる中。アンリを守る為、アベルが負傷し。

 

 

「・・・・・・守ってもらっても、いいか?」

 

その根底にあるのは真っ直ぐな思い。その思いに感化され、アンリはアベルを主と認め剣を振るい事態を収拾させる事には成功する。だがその先に新たな問題が。儀式に進む前に、国家を賑わす秘密結社二人組の手により、宝玉ごとアベルが誘拐されてしまうのだ。

 

問題だらけな中更に謎が深まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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