読書感想:義妹なら本気になってもいいよね?1

 

 さて、若干古のオタク用語に確か「ヨスガる」というものがあった気がするのだが、良い子の皆様はこの用語、もしくは「ヨスガノソラ」というアニメタイトルで検索してはいけません。まぁ簡単に言うと田舎町を舞台に、数話ごとに別ヒロインとの恋愛を描き、最後は双子の実妹ルートを描く、というお話を濡れ場在りで描写する、という地上波の正気を物凄く疑うアニメであった訳で。まぁお分かりではあるだろうが、日本で実の兄弟姉妹と恋愛したらまぁアウト、禁断の関係である。

 

 

それをラノベ、というか官能小説でやっていたのは今は亡き某美少女文庫三上ミカ先生イラストの小説であったりするのだがそれはさておき。実の兄弟姉妹はアウトであるが。義理の兄弟姉妹ならアウトではない。と言う訳でこの作品は、義妹とラブコメするお話なのだ。

 

ごく普通の少年、真人。彼には妹がいた。その名は悠凜(表紙)。文字通りの美少女であり、幼き頃はとても仲が良い兄妹だったのだが、今は何故か、目も合わせてくれず口もきいてもらえず、と嫌われていて。そんなある日、悠凜が真人と同じ高校へ進学した後。

 

「お前たちは、血の繋がった兄妹ではないんだ」

 

「こちらの方は・・・・・・誰?」

 

両親より呼び出されたのは衝撃の事実。両親は再婚、二人は血のつながりのない義理の兄妹であるという事。ショックを受けた悠凜は家を飛び出してしまい事故に遭い。命は助かるも、何故か真人の事だけ綺麗に忘れており。 一先ずもう一度、義兄妹として一から関係が始まる事に。

 

「きっとわたし、お兄さんのこと大好きだったんですね・・・・・・」

 

一から始める関係性の中、自然と甘えるように気が付けば距離が近くなっている悠凜。驚きつつも、刺激を与えぬように受け止める真人。 悠凜が何となく自覚する、もしかして自分は、という失くした過去。

 

そんな感じに、家では仲良く。学校では、悠凜は親友のひとみと仲良しの青春を過ごし、真人は何か思わせぶりな態度を見せる委員長、優衣と心を通わせたり。

 

だけど、いつの間にか。悠凜の心の中、膨れ上がる違和感。何か毎日にしっくりこない、ハマらない。何でなのか。その答えはどこにある? それは失くした記憶の中に。失くした記憶、何処から戻る? それは戻ることはなく。だがふと見てしまった、ひとみとのメッセージのやり取りの中、悠凜は直感的に思い出す。

 

それは、自分がまだ、真人との関係を実の兄妹と思っていたころ。彼に恋をし、だけど実の兄妹と思い込んでいたから、道ならぬ思いに苦しみ。そのせいで真人を避けてしまっていたという事。

 

「本気にされるは、お兄さんの方ですよ?」

 

だけど、思い出した。だから、戻らなくとも。まっさらな気持ちで、今度は許される恋を始めるのだ。

 

家族だからこそ甘い、どこかもどかしいラブコメであるこの作品。義妹ヒロインに悶えたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

義妹なら本気になってもいいよね? 1 (HJ文庫 て 02-02-01) | 手島史詞 |本 | 通販 | Amazon