読書感想:大学入学時から噂されていた美少女三姉妹、生き別れていた義妹だった。2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:大学入学時から噂されていた美少女三姉妹、生き別れていた義妹だった。 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 

意識したのは何方が先か。未分化出来ぬのはどちらか。前巻で再会し始まった、遊斗と真白、美結、心々乃のぎこちない関係。再会した事で動き出した、三姉妹の思い、というのは画面の前の読者の皆様は前巻を読まれていればご存じであろう。彼女達の中、芽生えたのは再会した義兄に対しての兄妹愛か、それとも異性への異性愛なのか。

 

 

それはまだ、分からない。 だけど再会したのなら、もう思いは止まれない。そして三姉妹たちが本格的に動き出すのが今巻なのである。

 

(・・・・・・これだけは悟られないようにしないと)

 

再会した三姉妹、お互い大人になっていた事で否応なく異性、というのを意識してしまって。異性、として見てしまうと言うのを必死に隠す事を誓って。三姉妹から提案されたお泊りに向けて準備を始める、遊斗。

 

「ふふっ、詳細については内緒です。私の弱点になりますから」

 

「・・・・・・真白お姉ちゃん、また最初に抜け駆けしたんだ」

 

そんな彼の中、もう一度芽生え始めた兄としての性、は三姉妹に伝わって。 他の二人の姉妹が授業中に、真白が遊斗と二人でラウンジで仲良く振る舞ったり。 美結が遊斗のバイト先へ勉強のために行ったら、心々乃が抜け駆けしようとしていたのを目撃したり。三姉妹それぞれ、こっそり抜け駆けしようとしたりして。 仲良くはあるも、互いにけん制し合うように、にらみ合う様に。 今は未だキャットファイトな様相を呈してはいるけれど。 少しずつじりじりとにらみ合う三姉妹。 

 

「もうこれは回収です」

 

そんな中、遊斗のお泊りの日程も決まり。準備のためにぴかぴかに掃除して、予め着替えを受け取りに行ったら、三姉妹の間で奪い合いになって最後は真白が着てみたり、なんかして。

 

「それに、安心もしたよ」

 

そんな中、一歩リード、するのが心々乃。図らずも遊斗に、えっちなイラストも描いているのがバレてしまい。思わず真白と美結もそんなイラストを描いている、というのは秘密にしてしまうも、遊斗は安心した、と兄の顔で受け止めてくれて受け入れてくれて。2人だけの秘密、というものを共有して。彼女の中にだけ余裕が生まれていく。

 

「・・・・・・いや、やっぱりダメだよね・・・・・・」

 

その裏で、遊斗の気持ちは揺れ動いていく。美結から提案されたルームシェア、しかし自覚してしまった、異性として意識する気持ちに対する理性が駄目だと叫ぶ。 双とは知らず、同衾の為に潜り込んでくる三姉妹。彼女達の中、にも芽生えている思い。それはどんな意味かは分からぬけれど、好き、という否定できぬ思い。

 

否定できぬ思いが向き合い、本格的に動き出す今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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