
さて、シェアハウスに必要な広さ、とはどれくらいの広さであろうか。やはりプライバシーやらプライベートやらを考慮し、それぞれの部屋くらいは必要であろう。しかしそれくらいの部屋とはそれなりに家賃などのお金がかかる訳であり。一人で払うのは大変、という事からもやはりシェアハウスというのはそういう面においても助かることが多いのかもしれない。
さてそんなとりとめのない話題はともかく。この作品は1LDKの物件で女子高生二人がシェアハウスするお話である。 ・・・・・・のだが、この作品の作者様である上栖綴人先生の作品をご存じの方もおられるだろう。「新妹魔王の契約者」である。あの作品、スニーカー文庫の中でもかなりあっち、エロな方向性であっただろう。で、この作品はどんな感じか、というと。つまりはそう言う事なのだ。表紙からもうお分かりかと思われるが。
「私と彩凪が・・・・・・一緒にこの部屋に住んだりって、できますか?」
父親の不倫により両親が離婚、その後海外で働く母親の元に行っていたが日本に戻ってきた少女、彩凪(表紙左)。しかし引っ越し早々、出くわしたのは同級生の少女、悠宇(表紙右)のお風呂上がりの現場。あっという間に抑え込まれ警察を呼ばれ、駆けつけたのは悠宇の保護者的存在な警察官の円香。そこで話を纏めてみれば、どうも不動産屋の不手際で二重契約、となっていたらしく。そこで悠宇は思い立って彩凪との二人暮らしを提案し。一先ず二人暮らしを始める事に・・・・・・
「やっぱり気づいてたんだね。私が深未さんをこうしたいって思ってるって」
・・・・・・その中、で。彩凪は両親の離婚により今は一人、そして悠宇はシングルマザーだった母親を一年前に亡くし一人、という似たような痛みを抱えていると互いに知り。まるで惹かれ合うように、埋め合うかのように。 これ以上は戻れない、という一線を軽々と踏み越える事を二人で決めて。まるで堕ちてのめり込むように、愛欲へ溺れていく。
ある時は家の中で、またある時は試着室で。溺れてどんどん突き進むその中で、悠宇がモデルとしてお仕事をしている事務所の撮影を見学する事に。その中、不意のピンチに彩凪の意見が役立つことに。その結果を切っ掛けに、ブランドのタグラインのアイデアを求められて。考える中、向き合っていくのはブランドの社長と副社長の、お互いを思うが故の対立。
「・・・――――――くたばれ、クソ女」
「言っておくけど―――私の方が重いから」
そこに光を当て解き明かす中、関わっていくのは彩凪の過去。そこに手を伸ばさんとする者に中指を突き立てるが如く言葉を叩きつけ。悠宇を助ける為に欲に溺れる、自ら。愛するが故の怪物性を目覚めさせていくのである。
ずっしりと重め、互いに寄りかかるような百合が見所であるこの作品。重めな百合を見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 溺れるベッドで、天使の寝顔を見たいだけ。 #ふたりで犯した秘密の校則違反 (角川スニーカー文庫) : 上栖 綴人, 千種 みのり: 本