読書感想:異端な彼らの機密教室1 一流ボディガードの左遷先は問題児が集う学園でした

 

 さて、時に画面の前の読者の皆様は過去に放送されたアニメである「リコリス・リコイル」はご存じであろうか。大体的に売り出されていた為、ご存じである方も多いだろう。知らない方は今すぐ見て来ていただくとして。かのアニメにおける戦場に身を置いている少女達は、元々生まれに事情があって、ある意味存在しない人間達ばかりであったが。いわば使い捨て可能な人材、というのはアクションもので時々いる、というのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。

 

 

この作品もまた、そんな作品なのである。防衛庁直轄の治安維持組織でありながら、使い捨ての「野良犬」として平和を守る組織。そこを舞台とし始まるお話なのだ。

 

「マスターのオーダーであれば、喜んで」

 

戦場指揮官、葉隠狐。彼女のボディガードである一流の兵士、潤(表紙後方)。国際指名手配のテロリストが関わる任務に投入された彼は、淡々と敵を全滅させるも、それは作戦司令部の思惑とは反したものであり。責任を取らされる形で彼と狐は、とある場所へ左遷されてしまう。

 

その場所とは、海上埋め立て地の島に存在する全寮制の学園、「紫蘭学園」。裏の顔は防衛相直轄の機密教育機関。様々な事情を持つ者達を集め、治安を守る学兵たちを特殊部隊として運用する場所。

 

狐は学園長となり、潤は部隊の指揮官、フィクサーとして配属される事となり。整備課の武器職人たちとぶつかり合ったりしつつも、まずは部隊の者達と顔を合わせる。

 

そこで待っていたのは忍者娘、幽々子(表紙手前)、クールなスナイパー、青葉、けんかっ早いアタッカー、衣吹といった面々。顔合わせも早々に武器商人グループと指定暴力団の取引阻止及び捕縛の任務に向かい。だが部下である彼女達は指示に従わず、結局任務は結果として失敗と終わってしまう。

 

「貴様は自由だ、人生を謳歌したまえ」

 

それはマスターである狐の事を一番に考えた、彼にとっては当たり前の思考。しかし、何故か彼はボディガードの任を解かれ、フィクサーに専念するように、と言われてしまい。 急に首輪を解かれて、まるで野良犬にされるように放り出される中。一先ず今まで知ろうとしなかった部下達と関わる事から始め。少しずつ、フィクサーとして出来る事を探していく。

 

それは知らずの内に、彼がかけられていた暗示の呪縛を解く事と繋がっていく。 糸が切れた人形はどうなるのか。倒れるかもしれない、だけど糸が切れた人形には、人間になる資格が与えられる。

 

再びの任務、前回の任務の後始末の筈のそれは、想定外の強者たちの出現により途端に絶体絶命、部下達は傷ついていく中、自身はマスターの命により出動不可能。それを打ち砕く為、必要なのは何か。それこそは理由。

 

「ただいまから命令を違反する」

 

その理由はすぐそこに在る、幽々子が齎した名は因縁の相手、思い出のある組織の名。全てにおいて優先すべき契約が発動する時。潤は戦場へと飛び出していく。過去から追ってきた因縁と、決着をつける為に。

 

シリアス多め、ガンアクションで熱く駆け抜けていく、鉄と火が迸る熱さのあるこの作品。熱さで心を燃やしたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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