読書感想:S級学園の自称「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ来られてバレバレです。2

 

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読書感想:S級学園の自称「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ来られてバレバレです。 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、陰キャに見せかけて実は最強、その腕っぷしと類まれなる身体能力で世界を切り開いていく我らが主人公、和真であるが。やっぱり彼の事に執着する瑠亜が何か仕掛けてこない訳もない、というのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。だがしかし、一度解き放たれた獣、その才能は簡単に檻の中に入る訳もない。寧ろ解放された分だけ、今までの屈辱を晴らすべく牙を剥けてくる、というのは当然の理であり。彼に関わった分だけ、いつの日か自分が破滅するフラグが積み重なっている、というのを気付かぬのならばそれは愚かというものである。

 

 

しかしそれでも、その愚かな行いに走ってしまうのが瑠亜という女であり、豚と蔑まれる彼女であり。何もかもを手に入れられる環境で過ごしてきたからの傲慢にしか頼れぬ人間性というものである。

 

そんな彼女は今巻でも、和真に色々とちょっかいを掛けてくる。甘音との夏祭りデートで理不尽にも呼び出して来たり。かと思えば、美術部に仮入部した和真の元に特殊部隊を差し向けて来たり、更にはヒロイン達とプールに出かけて、愉しい時間を過ごす和真の元へ清原兄弟というアウトロー系の動画配信者を差し向けてきたりする。

 

「俺は、それでも自由が好きです。自由な人が好きです」

 

「それでも前を向こうとするその生き方が―――限りなく優しい」

 

 が、しかし。無論そんなもので和真が止められる訳もなく。和真も歩けばヒロインに当たると言わんばかりに、今巻でも数々のヒロインを助けていく。

 

 

美術部では、天才的なボクシングの腕を持つ幼馴染の荒田との関係に悩む、小動物系の先輩、ましろの心に向き合い幼馴染との悪縁を断ち切らせるために背を押し。

 

プールにおいては、その身体にとある秘密を隠す大人気アイドル、ちとせと関わる事になり。卑劣な手にやり込められそうになっていた彼女を、その力で救う事となり。

 

「美術部、辞めてきたの!」

 

「夢と恋、二つそろっちゃったらもう、卒業するしかないでしょ?」

 

そんな彼の活躍と、ふとした瞬間に入り込み大切な所をさらっと救っていくそのあり方に、彼女達が惚れぬ訳もなく。ましろとちとせもまた、和真の周りを囲む輪の一つとなって。どんどんと彼の周りには、普通ではない女の子達による、絆の輪が形成されていくことになる。

 

彼等は未だマイノリティかもしれない。だが少しずつ、牙城は切り崩している。そして徐々にアンタッチャブルという立ち位置を得ているからこそ。既に彼のすさまじさは広まりだしたからこそ、もう止まらぬのであろう、彼等の反逆は。

 

前巻にも増して無双が冴え渡る、爽快感が更に高まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

S級学園の自称「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ来られてバレバレです。2 (講談社ラノベ文庫) | 裕時 悠示, 藤真 拓哉 |本 | 通販 | Amazon