前巻感想はこちら↓
読書感想：いつもは真面目な委員長だけどキミの彼女になれるかな？ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で陽都と紗良、秘密の「親友」関係が始まって。陽都のおかげで、紗良は毒親である母親への反抗の第一歩を踏み出せたわけであるが。 親友からステップアップし、恋人となった訳であるが。今巻ではどんな展開が待っているのだろうか。
今までは陽都が紗良を支えるばかり、助けるばかりだった訳であるが。果たしてそんな関係から始まった紗良の中に今芽生えている恋心は、果たして純な意味での恋心なのだろうか。 その辺りにもついて触れていくのも今巻なのである。
「なるほど。それはその通りだわ」
紗良が踏み出した犯行の第一歩。通用しないか、と思えば実は筋道立てて反論すれば一応は通せると言う事が判明したり。そんな一歩を踏み出せたご褒美の甘やかしを紗良は陽都に求め。屋上で駄菓子でパーティーしたり。夜の花街で出会って、夜としての顔で癒しスポットを開拓してみたり。何気ない優しい時間を過ごし、少しずつ甘えの度合いが増していく中。そこで新たなイベントが巻き起こる。
それは後輩の売れないアイドル、穂華のお手伝い。そのお手伝いの為に、部活動を立ち上げて協力する事となり。出演依頼を出したり、動画制作のために尽力したり。様々な事を経て。大目標である「ＪＫコンテスト」への出場を目指して。だがその前に立ち塞がるのは、陽都の過去。苦い過去を知る存在の出現に、陽都の心は追い込まれていき始める。
聞きたくない、そんな話。見せてくれない、心に抱えた傷。だけど、見せて欲しい。知りたい、教えて欲しい。あなたの心に抱えたものを。あなたの事が好きだから、と。
「ほら、何も聞こえないでしょ？」
あなたの耳にノイズが入るなら、私が貴方の耳を塞ぐと。彼女らしい不器用な励ましに支えられ、更に愛情を深めて。陽都はまた精力的に動画制作に打ち込んで。穂華もまた、いわれなき中傷を自分の言葉で切り伏せて乗り越えて。確かな成果を皆で掴んでいく。
「私も好きなの、付き合っていいかな」
そして紗良もまた、更なる反逆の一歩を踏み出す。陽都といる事で気付いた自分の「好き」、比べるばかりで気付いていなかった、自分の出来る事。彼といるから、彼らと居るから知れたこと。だからこそもう、憧れるのはやめる。本当の自分で、自分の好きな事を真ん中において。本当の、これからの私を見つけていくと言う決意を叩きつけるのだ。
更なる成長と、恋人同士としてのいちゃいちゃがよりステップアップしていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
