前巻感想はこちら↓
読書感想:負けヒロインと俺が付き合っていると周りから勘違いされ、幼馴染みと修羅場になった1 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻を読まれた読者様であれば、学校の二大美少女の一人、真凛と友好を結んだ主人公である少年、陽という構図はもうご存じであられるだろうが、疎遠になった幼馴染、佳純がどう出てくるのか、と気になられた方もおられるだろう。前巻の感想で私は、修羅場はきっと遠くない未来に、と書いた次第であるが。早速、修羅場にレッツゴーと言わんばかりに有無を言わせず突入していくのが今巻なのである。
「約束は守ってもらうわよ?」
佳純と陽が交わした約束、それは一週間に一度、陽の部屋で彼女の好きにさせると言うもの。大義名分を得た彼女は、陽の劣情を誘うかのようにいっそわざとらしい薄着で彼に密着し。まるでデレデレの子猫か、と言わんばかりに彼に甘え倒す。その姿と、いじらしさに感じるのはかつて、彼女が依存すら抱いていた頃の姿。だが主導権は向こうにある以上、断り切れる訳もなく。結果、ずるずると元通りになっていくであろうという予感を陽は抱いていく。
「まぁ、二人きりの時ならいいよ」
その最中、陽へと本格的に恋心を抱いた真凛も行動を始める。彼の為にお弁当を作って来たり、更には名前で呼ばせてほしいと提案して来たり。いじらしく可愛らしく、どんどんとアクセルをあげていく。
それを眼前で目撃し、心穏やかでいられる佳純、そんな訳もなかった。2人きりの時は更に甘える強さを増やし、更には既成事実を作ろうと策を巡らせたり。まるで彼は自分のものであると主張するかのように、どんどんと彼の側で今までの溝を埋めていく。
その様は、恋人役であった晴喜をドン引きさせる程に。そんな中、凪沙の提案で動画投稿チャンネルを作る事になった真凛を陽が手伝う事になり。凪沙も陽によって巻き込まれたかと思えば、佳純もまた妙なことは許さないと言わんばかりに割り込んでくる。
動画投稿の為の遠出、いつもの四人で出かける観光地。だが穏やかな旅行、にならないのはもう画面の前の読者の皆様もご存じであろう。まるで挑発するように佳純はぐいぐいと真凛に詰め寄り、真凛もまた笑顔のままに怒りを見せ。陽の胃を痛める修羅場がこれでもかと展開される中、二人とものメンタルケアに陽は奔走していく。
どちらか切り捨ててしまえば、手放してしまえば。それが出来たら、ここまで拗れはしなかっただろう。何故それが出来ぬ。それはもう、陽にとっては佳純も真凛も「身内」であるから。誠実さと優しさ、それは彼の強みであり同時に諸刃の剣。
「好きにすればいいと思うわ」
それが事態を悪化させるとしても、二度は繰り返さぬ過ちが、突き放す手を引っ込める。そして彼の知らぬ間に、真凛からの宣戦布告により本格的にヒロインレースが始まるのだ。
本格的に修羅場が始まり、ラブコメとして走り出す今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
負けヒロインと俺が付き合っていると周りから勘違いされ、幼馴染みと修羅場になった 2 (オーバーラップ文庫) | ネコクロ, piyopoyo |本 | 通販 | Amazon