読書感想:毒の王 1 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

 

 さて、毒、英語でポイズン。最近であれば仮面ライダーバッファが使用している能力であるが、ファンタジー世界で毒を使う主人公、というのは珍しいかもしれない。それは何故だろうか。多分恐らく、主人公の能力としては派手さというか花がない、からなのかもしれない。毒と言うとどちらかと言えば暗殺を想起させる能力であり。何方かと言えば正義として描かれる主人公としては、相応しくないと言えるかもしれない。

 

 

だが毒と言うのは、自由自在に操れるとしたらそれこそ万能性に優れている能力である。派手さは無いかもしれないけれど、確実に敵を殺すと言う意味においては、最強の能力かもしれない。つまりは使い方次第と言える。この作品の主人公、カイムもまたそんな「毒」を操る力に目覚めたのである。

 

とある異世界、かの世界を脅かす魔王の一体、「毒の女王」。「拳聖」と呼ばれた男、ケヴィンと妻であり賢者でもあるサーシャを含むパーティにより討伐された彼女は死に際にサーシャに呪いをかけ。彼女を診療した医者、ファウストの提案によりサーシャと胎内にいた双子の妹、アーネットを救う為に呪いを移され。結果的に生まれた事でカイムは「呪い子」として蔑まれ。ケヴィンやアーネットを含む家族に迫害され、領地の民からも呪い子として疎まれ。自分が拾った獣人のメイド、ティー(表紙)からも引き離され一人きりでの生活を余儀なくされていた。

 

「どうか私に君を助けさせてもらえないかな?」

 

「俺の名前はカイム。『毒の王』だ」

 

そんな彼の元を訪ねてきたファウストはカイムを助けたいと、体内に巣食う呪いと向き合う事を提案し。精神世界で毒の女王と向き合い和解したカイムは彼女と融合し、「毒の王」として生まれ変わる。

 

 そして、この時よりカイムの怪物性が目を覚ます。ケヴィンとアーネットの稽古を見ていた事で、その技を余すことなく身に着け。毒の王としての力でケヴィンを再起不能に追い込み、アーネットに格の違いを見せつけ。ファウストに勧められた帝国を目的地として、カイムは旅に出る。

 

「俺を本気にさせたことを後悔するなよ?」

 

その途上、襲われていた馬車と死にかけていた騎士を見つけ、騎士からの頼みで盗賊に囚われ謎の毒を流し込まれていた謎の令嬢、ミリーシアとその護衛であるレンカを助ける事となって。ミリーシアから護衛を依頼され、彼女達と共に帝国を目指す。

 

その途上、カイムから本人が意図せぬ中で流れている微弱な毒がフェロモンになり、二人を魅了する事となり。結果的に二人を相手に初体験をする事となって。更には彼を追い追いついてきたティーも合流し、彼を巡って正妻争いが巻き起こる。

 

そう、ここからがカイムにとっての始まりなのである。未だ世間知らずな彼が色々な事を知っていく、始まりなのだ。

 

ちょっとえっちなファンタジーを読んでみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。