
さて、画面の前の読者の皆様の中にも呪術廻戦をご存じの方もおられるだろう。現在少年ジャンプで連載中の続編、モジュロにおいては主人公である虎杖君が不老的な存在になって、友人たちの前から姿を消している訳なのだが。不老不死、というのはそう考えると辛いものかもしれない。死のうとしても死ねず、見知った者達には置いていかれる。そう考えると定命で死ねる方が幸せなのかもしれない。そして死ねぬ、という事は死ぬようなダメージを負っても死ねない、という事である。
そう考えてみると、死にゲーの主人公って気が狂っても仕方ないのではないだろうか。という訳でこの作品は悪役貴族に転生、する前に死にゲー世界への転生の経験を経ている主人公、リオル(表紙左)が前世から受け継いだ死ねぬ呪いやチートを時に武器にし大暴れしていくお話である。
「・・・・・・これで本当に終わりかな」
人と文明が終わった世界で、ただ一人生き残って世界を終わらせるために戦い抜く有名死にゲー、「ドラグ・マキナ」。呪いによって死に続け、最早自分のかつての名前も思い出せなくなって、何とか世界を終わらせて。
「思ったより斬っちゃった・・・・・・気を付けないと・・・・・・」
その後、見たのはリオル、という少年の夢。お付きのメイドであるフェリシア(表紙右)をひどい目に遭わせている光景の夢。目を覚ましたら、彼女と共に商人を騙った誘拐犯に捕まっており。共に逃げ出し、使役された魔物に追われ、彼女を庇い殺されて。そこで復活、謎の力で誘拐犯たちを全員叩き切ってしまう。
「実際、今のボクじゃどうやっても勝てないよ。だから全力で走るんだ」
二人家に戻って後日、彼の元を訪ねてきたのは婚約者であるリヴィア(表紙左上)。リオルの悪事の証拠をつかみに来て、婚約破棄する為の彼女が突き付けてきたのは一つの賭け。それは滞在する一か月の間に家庭教師である男、ストレイに勝てるかというもの。最初の激突中思い出す。この世界は「ラスト・クエスト」というRPGの世界であり、リオルはリヴィア、メインヒロインに婚約破棄され最終的には主人公たちによって破滅させられる悪役であるというもの。
だが、そんな絶望何するものぞ。そも死ぬのは慣れている。死にまくっている、絶望には慣れている。だからこそ今度の絶望も超えて見せる、と死にゲーになれた魂が燃え上がる。まずは鍛えなおし、実は暗殺者である自身の家庭教師、蛇宮が驚くほどの成長を見せ。文字通り天使が乗り移ったかのような真っすぐさに。フェリシアや女騎士、ラウラといった者たちを魅了し、本当の意味で従えていく。
そこで立ち塞がるのは謎の魔物。それは「ドラグ・マキナ」の世界から流れてきた機械たち。ファンタジーの魔物たちに取りつき、新たな存在になり。更に絡んでくるのはこの地に封じられた悪魔。その裏で糸を引くは、近くにいた黒幕。
「結局、ボクのやることは前と変わらない化け物退治だ」
しかし、どんな世界でもやる事は変わらない。目の前の敵を倒す事、それだけだ。立ち塞がるのはファンタジーとSFを融合させた、心躍る敵。切り札としてこちらが繰り出すのも、また融合の一手と相成るのである。
死ぬことなんぞ知った事か、と時にチートを使い暴れまわるこの作品。心のままに進む熱さが見たい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
死にゲー世界をクリアしたら別ゲー悪役貴族に転生しました 1 ~前世のチートと不死身の身体で、好き勝手生きます~ (オーバーラップ文庫) | こがれ, TEDDY |本 | 通販 | Amazon