読書感想:友人に500円貸したら借金のカタに妹をよこしてきたのだけれど、俺は一体どうすればいいんだろう4

 

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読書感想:友人に500円貸したら借金のカタに妹をよこしてきたのだけれど、俺は一体どうすればいいんだろう3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 朝が来て昼が来て夜が来て。二十四時間一巡り、短い時間の中で思いを積み重ねて。前巻で見事恋人同士となった求と朱莉であるが、恋人同士になって終わり、という訳ではない。恋人同士となってもそこで終わりではない。そして二人はまだ大学生と高校生である。同じ場所で過ごすためには、まだ時間がかかるのである。

 

 

と、いう訳で前巻で恋人同士にはなったが、遠距離恋愛となった二人。夏休みが終わり朱莉は再び勉学の日々へ。求は昴に報告し、元通りの生活へ。

 

『こう、メラメラと闘志が湧いてきましたよっ!!』

 

そんな中、朱莉から志望校である求達の通う大学への合格判定が少し悪い結果が出てしまったという報告を受け。親から九月は帰省しろ、と言われていると話すも邪魔にはならないように敢えて突き放し。その代わり成績を回復させたらお願いを聞く、という条件を飲む事に。

 

「よく頑張ったね、朱莉ちゃん」

 

しかし帰省しても会えない、とはならなかった。求の母親から帰省する日を聞いていたみのりにより、朱莉も彼の実家へやってきて。みのりから持ち掛けられた、ランダムに選ばれた過去問で合格点を叩きだすという試練に挑む中。朱莉達は自由参加の学園祭で、みのりはハロウィン喫茶に参加すると言う話を聞き。愛と欲望の力か、見事過去問で満点を叩きだした朱莉のお願いを聞き、求は学園祭でデートする事となる。

 

彼にとっては何処か懐かしい学び舎。朱莉にとっては、彼に話しかけられなかった思い出もある場所。 そしてお互い、知らない所がある場所。求は地味に人気な朱莉、という部分を見つめ。朱莉はかつての部活の仲間達に意外と慕われている求の姿を目にする。

 

それは、ちょっとした独占欲を招くもの。あの、も、やっぱり、も、普段も、知らない。だけどそれは裏を返せばこれから知っていけると言う事。大丈夫。今まで言えずに胸の中で燃やすだけだったこの想いは、誰にも負けないから。恋をする事で知った、抑えきれぬ思いは止められないから。

 

「改めて宣言させてもらってもいいですか?」

 

だからこそ、改めて。今ここに宣言する。彼の元へ必ず行くと。絶対にそこへ追いついて見せると。

 

決意を聞き、思いも新たに生活へ戻り。朱莉の誕生日を知り、実家の飼い猫であるノワールにも纏わりつかれた求は新たに何かを決めて動き出す。それは二人で過ごす、新たな日々への準備。

 

恋人同士としての新たな日々が始まり、甘さが更に深まる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

友人に500円貸したら借金のカタに妹をよこしてきたのだけれど、俺は一体どうすればいいんだろう4 (ファミ通文庫) | としぞう, 雪子 |本 | 通販 | Amazon