読書感想:浮気していた彼女を振った後、学園一の美少女にお持ち帰りされました2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:浮気していた彼女を振った後、学園一の美少女にお持ち帰りされました - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、恋人と言うのは結ばれるまでが本番、という訳ではなく、結ばれてからが本番とも言える。そして一度別れたカップルが復縁してはいけない、という決まりもなく。この作品における元カップル、新世と莉愛は、恋人と言う絆は途切れれど、再び友人、という絆では繋がっている。その辺りは怜奈が許しているゆえに。その辺りにおいては、彼女は甘い、と言うべきか優しい、と言うべきか。それはともかく、付き合いだしてからが本番なのだ。

 

 

 

「少しも待てないわよ。私はもう十分待たされたのだから」

 

何だかんだと怜奈の家に泊まったりする事も増え、彼女の情熱的な面を目撃する事も多くなってきて。しかし彼等は未だ学生であり。直近に迫っている夏休み、という恋人同士にとっては大切な時間のその前、面倒事である期末テストの時期がやってくる。

 

勉強会に莉愛も彼女の願いで参加する事になって、怜奈がやきもきしたり。まずは小手調べと言わんばかりにブラコンである新世の義妹、美織に会う事になったら、中々の取りつく島の無さにちょっと絶望したり。

 

頭の良いクール系、孤高の冷徹、という印象のその裏、隠れているのは年頃の、普通に恋に揺れて初めての恋に戸惑う姿。そんな姿を可愛らしく思い、新たな魅力を発見していく中。美織に招かれた新たな波乱がやってくる。アメリカよりやってきたのは、かつて転校により別れた幼馴染、結衣。莉愛とは別の意味で昔の新世を知っている彼女。彼女も含め皆で出かけたり、ショッピングモールでそらと遭遇したり。新世の家に泊まりに来た彼女とキャットファイトしたり、美織のブラコン故の本心の一端を目撃したりする中。幼馴染らしい約束を交わしていた過去を目撃し、怜奈の心は更に揺れる。

 

「私も焦らず、ひとつずつ新世の事を知っていければいいと気がついたのよ」

 

その先に、夏祭りの場で。結衣の元から自分の元へと駆けつけてくれた彼の姿を見た事で。怜奈もまた大切な事に気が付いていく。知らないから、それがどうした、と。知らなければこれから知っていけばいい、今彼の隣にいるのは自分なのだから。だからゆっくり知っていけばいい、という事を。

 

恋人同士としての甘さが本格的に始まる中、恋愛関係に波乱の芽が蒔かれていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 浮気していた彼女を振った後、学園一の美少女にお持ち帰りされました2 (角川スニーカー文庫) : マキダ ノリヤ, 桜 ひより: 本