読書感想:【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。7

 

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読書感想:【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。6 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、先に言ってしまうとこの作品は、今巻から大詰めを迎えるらしい。なので先にお伝えしておくとこの作品は今巻と次巻を合わせ一冊、と認識した方が良いかもしれない。ではその前半戦となる今巻では何を描くのか。今巻に裏テーマがあるとするなら、「変化」と「露呈」となるのだろう。遊一と結花が真の意味でのハッピーエンドを迎える為に何が必要なのか。画面の前の読者の皆様はもうお分かりであろうか。

 

 

それは、遊一の方の親への理解。そしてファンに対する周知。特に後者はダメージは避けて通れぬ命題であり、どう考えても茨の路。しかしそこを進まねばならぬのだ。

 

「佐方くん。私が生まれて初めて、作ったチョコ・・・・・・受け取ってください」

 

しかしその前に、忘れてはならぬイベントがある。それは恋人達にとっての聖なる日であるバレンタイン、そして結花の誕生日。まだ全部は明かしていないけれど、それでも一部の事情は明かしている級友達に背を押され、学校で結花が一歩踏み出したり。更には結花の誕生日に素敵な贈り物をする為に、遊一が奔走したり。ドタバタながらも、許嫁同士として確かな思いを以て。普通の恋人らしく、甘々に。思いを明かし知られる事で、どんどんと二人の甘さは増していく。もっともっと、お互いが大切になっていく。

 

 だがしかし、忘れてはいけぬ。ここまでは「変化」である。まだ「露呈」が残っている。では「露呈」とは何か? それは遊一に対する、らんむこと来夢の正体。そして迷惑な暴露系配信者による、遊一と来夢の関係の勘違いから始まる事実の露呈なのだ。

 

「ごめんなさい。だけど私は―――大好きな二人が傷つくところを、見たくなかったから」

 

大きな仕事が決まったばかり、そんな事は関係ない。遊一も来夢も傷ついてほしくない。自分の身が傷つく事も厭わず、自分から明かした真実。だがそれは、敵に対し塩を送るようなもの。暴露の時はすぐそばまで迫る中、二人の前に姿を現すのは日本中を沸かせたトップモデルの意外な正体。

 

さて、ここに最後へ繋がる幕は開ける。越えねばならぬ壁が二つ一気に立ち塞がる。そこを越えれば、完全無欠のハッピーエンド。だが越える為には痛みを伴う事は確実。進む先は世間の冷たい風に晒される茨の路。そこを進む中、きっと今まで通りではいられない。

 

どう考えてもシリアス展開の序章となる今巻。2人が辿り着くのは、ハッピーエンドか、ノーマルエンドか、はたまたバッドエンドか。

 

次巻、刮目したい。