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読書感想:【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。3 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で遊一の見守りと言う助けを経て、結花が過去を乗り越えて。更にお互い、大切な存在として絆を深めてきた二人である、というのは画面の前の読者の皆様ももうご存じであろう。しかし、未だ向き合わなければいけないものが残っていると言うのは皆様も何となくお察しではないだろうか。
それは結花が人気声優、「和泉ゆうな」であると言う事。人気声優であるからこそ、スキャンダルは厳禁。その状況から考えると、今の二人の結婚前提の同棲というのは、中々にグレーゾーンな所と言えるのかもしれない。
今巻ではまだ、向き合わなくても良いもの、けれどいつかは向き合わなければいけぬ問題。そんな問題を前にして、何かが確かに変わり出す。「和泉ゆうな」、としての結花のサイドに集う者達にも遊一の存在が露呈し始めるのが今巻なのである。
引きこもりであった時分と被っているので、結花にとっては初めての修学旅行。それは学生生活の目玉ともいえるイベントであり、行き先は沖縄。修学旅行の班決めで遊一の機転により同じ班として行動することになり。未知のワクワクに、結花は心躍らせる。
そんな中、決まった「和泉ゆうな」の新たなお仕事。憧れの先輩、らんむとのユニット結成、そしてミニライブ。だがそれは、新たな波乱の幕開けとなる。
仕事に厳しい、プロフェッショナルであるらんむは完璧を求め。彼女の思いに応える為にも、奇しくも沖縄で被っているライブも修学旅行もどちらもこなす事を決意し。
しかしその前に、「和泉ゆうな」の溺愛する「弟」がどんな存在であるか確かめたいとマネージャーが襲来したり。更にはらんむも、弟の存在を疑い苦肉の策として勇海に代役を依頼するもあっけなく見破られ。
けれど、未熟だけれど真っ直ぐな結花の思いは確かにらんむへと伝わり、ライブへと時間は進んでいく。そしてライブを前にし起こった緊急事態、その解決のきっかけとなるのは勿論遊一。彼女を大切に思うからこその彼の機転なのだ。
「―――その答えで、十分よ。『弟』さん」
ライブの開始直前、自分の正体を見破っていたらんむとの邂逅。遊一が伝える、結花を大切に思う気持ちもまたらんむへと届き、最高のステージは幕を開ける。
「どんなときだって、結花の選択を応援する。それだけは絶対に・・・・・・変わらないから」
らんむのように、ストイックになれる訳はない。全部を望む、強欲が故に。けれどそれでも、それも間違ってはいないのだから。二人で選ぶ答えは間違いではないのだから。
物語の段階が新たな段階へと踏み込む中、更に絆を深める今巻。
シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。4 (ファンタジア文庫) | 氷高 悠, たん旦 |本 | 通販 | Amazon