読書感想:くたびれサラリーマンな俺、7年ぶりに再会した美少女JKと同棲を始める1

 

 さて、最近増え始めている年の差ラブコメ、というものであるが年の差というもので主によくあるのはどれくらいの差であろうか。十歳差、というのは私が見てきた中でも一番長めの年の差かもしれない。数百歳差、までいくとそれはもはやファンタジーの域である。やはり一番多いのは数歳差、くらいであるかもしれない。それくらいの方が、ジェネレーションギャップ、というのもギリギリ発生しなくなるのかもしれない。

 

 

と、まぁそんな訳で今作品はどんな作品であるのかと言うと。多くを語る必要はないであろう。何せタイトルが全てを表しているので。つまりはそういう事なのである。

 

新卒でとある会社にSEとして入社し、はや三年。新人の頃は覇気ある青年であったが今はどこかくたびれた雰囲気を醸し出す青年、雄也。三年も経ったからには、任される仕事も増えて来て、同時に責任も忙しさも増していく。ろくに自炊も出来ず、今日もまた仕事に疲れて家に帰る日々。そんな中、彼の元に七年ぶりの再会がやってくる。

 

「私と、結婚を前提に同棲してくれませんか?」

 

 その名は葵(表紙)。かつて幼馴染のように仲の良かった八歳年下の女の子。そしてかつて別れ際に交わした結婚の約束を胸に、初恋を燃やし続けていた彼女。折しも母子家庭である彼女の保護者、涼子が国外へ転勤するという為、一先ず彼女を保護者として引き取る事に決め。二人の同棲が幕を開けるのである。

 

雄也のお嫁さんになる為に、花嫁修業を続けてきた彼女。彼女との同棲が始まる事で、雄也の生活は好転を始める。壊滅しかけていた炊事問題は、美味しいご飯に彩られ。ちょっと片付けの追いついていなかった部屋は、瞬く間にきれいになり。正に新妻のように世話される事になる中、彼は就職当初のような覇気のある姿を取り戻していく。

 

その姿を見、上司である千鶴はどこか満足げに笑い。葵の親友である瑠美も、雄也の事を認めたのかどこかフレンドリーに接してきて。周囲に見守られる中、二人の関係は少しずつ深まっていく。

 

出会った頃から変わらぬ真っ直ぐな恋を向けてくれる彼女。その思いに心揺らされる雄也が、恋へと心が傾くのも当然であったのだろう。少しずつ、葵の大切さが増していく。保護者として出席した授業参観で、男子と接するのを見て独占欲が沸き上がるように。気が付けば、彼女の事を求めていく。

 

「俺はこの気持ちが一番大事だと思っている。葵も同じ気持ちだと嬉しいな」

 

 そう、恋に年の差なんて関係ない。大切なのは自分の思い、ただそれだけ。だからこそ、雄也の方から告白するのも必然であったのだ。関係性が確かに変わるのも、既定の運命路線であったのだ。

 

王道真っ直ぐな年の差ラブコメであり、献身的なヒロインに萌える事間違いなしかもしれないこの作品。萌えを味わいたい読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。