読書感想:くたびれサラリーマンな俺、7年ぶりに再会した美少女JKと同棲を始める3

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:くたびれサラリーマンな俺、7年ぶりに再会した美少女JKと同棲を始める2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、雄也と葵、大人と子供で、恋人であって婚約者。前巻も読まれている読者様であればご存じであろう。とりあえず現状、この作品に波乱が起きる気配はない、と。いつかは何かあるかもしれない、しかしそれは今ではない。周囲で温かく見守ってくれる人々がいるから、味方は沢山いる筈だから、きっと大丈夫なはずである。

 

 

という訳でこの作品は甘々を一貫して描き、年の差ラブコメものの王道としていい意味でゆるく、肩の力を抜いて読める訳であるが。甘さだけではない部分で今回は何を描いていくのか、というと。今巻では、葵の進路問題。既に進路を決める、の次の段階に辿り着いている雄也とは違い、これから道を決めんとする彼女のお話である。

 

「私、献身的で可愛い奥さんになりますね!」

 

無論最終的な夢はそこであるけれど、並び立つために自立は必要。だからこそ自分のやりたい事を探す為、色々と考えて。バレンタインに水着エプロンという秘策を披露して雄也の理性がおろし金で削るが如くごりごり削られたりする一幕もあったりしつつ。同棲開始後早くも1年が経とうとする中、倦怠期なんてありえないと言わんばかりに二人の恋は更に熱く燃え上がっていく。

 

「今日、ようやく決心がつきました」

 

そんな中で葵が見付けていくのは将来の夢。学校の授業で幼稚園を訪ねて、友達である瑠美と行った勉強会で、そしてその妹である陽菜とのふれあいの中で。見つけた夢は小学校の先生、それはかつて憧れた雄也の背中、「頼れる大人」という目標への思いも根底にあって。とにもかくにも、色々な思いと憧れを詰めて。葵の将来の夢は今、見定められる。

 

「結婚したら、毎晩同じベッドで寝たいです」

 

そして恋人同士としての甘々も勿論、今回も更に極上に。葵のプランニングによる、まるで学生の視点に戻ったようなデート。嵐の日の夜の同衾。同居人で婚約者だからこそできる甘々が、より甘く熱く心を焦がして。恋は少しずつ愛へと変わっていくのである。

 

少しずつ、しかし時は確かに歩みを進めていく。3月も終われば来るのは新しい季節。それは葵の進級、受験生活の本格的な始まりに他ならぬ。彼女が忙しくなる季節が確かに始まろうとする、それはきっと、本当の意味でのスタート、勝負の時になるのかもしれない。

 

更なる甘さ深まって、より心に攻めてくる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

くたびれサラリーマンな俺、7年ぶりに再会した美少女JKと同棲を始める 3 (HJ文庫 う 05-02-03) | 上村夏樹, Parum |本 | 通販 | Amazon