読書感想:異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で―4

 

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読書感想:異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で―3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様に一つ、私は残念なお知らせをしなくてはならない。それはこの作品が今巻で完結を迎えると言う事である。幸いにしてこの先はweb版の方で描かれているので、より濃い絶望を楽しみ嗤いたいという読者様は是非に今巻を読み終えられた後にそちらに移動してほしい次第である。

 

 

さて、では今巻が最終巻と言う事であれば今巻では何が描かれるのか。それは勿論、一つに決まっている。

 

 そう、最終決戦である。無限の繁殖性と学習力を持ち、次々と女を捕らえ孕ませ数を増やしていく、人類の天敵、ブラックウーズ。もはや滅ぼす以外に道はない。故に戦うしかないのである。

 

魔導王国、獣の国、神聖国家。既に多くの犠牲を出しながらも奴の欲望に限りはなく。王都から逃走し、隠れ潜みながら生活を営んでいた淫魔たちの村を襲撃し。強力な淫魔であるフェネルリルカは囚われ侵されるも、マリアベルに助けられ、彼女達の陣営へと加わる。

 

 最早魔物がどうとか言っている段階ではない。マリアベルの数か月の戦いの結果も焼け石に水、奴の総数は増えるばかり。だからこそ全ての種族が連携する必要がある。そして奴の研究も進み、対抗策となる誰でも扱える毒も開発され。全種族の力を結集した最後の反抗作戦が遂に幕を開ける。

 

「皆さんの力を貸してください!」

 

マリアベルという旗頭の元、全ての国の生き残り達と戦力となる魔物達が集結し。確かな戦略を以て、決戦の場となるフォンティーユの王城へと勇者軍は進撃を始める。

 

だが、迎え撃つ奴も進化の限りを尽くして得た力を以て待ち構える。異形のスライム達が、繁殖場である王城を守る為に襲い掛かり、勇者軍の道を塞ぐ。

 

進む先で待っているのは淫獄ばかり。だけどそれでも、進むしかない。全てを取り戻す為に。

 

死力を尽くし、暴虐と淫虐の限りを尽くされ。誰もが全力でぶつかり合い、誰かに希望を託し囚われていく。それでもマリアベルは突き進み、核を持つ奴と激突する。

 

「・・・・・・きて」

 

 戦いの先、果たされる再会。だが、彼女達はまだ知らぬ。まだ全ては滅ぼせていないと言う事を。自分達の血を受け継ぐ、更なる新種のブラックウーズが生まれ息をひそめている事を。

 

だからこそ、いつか戦いは再び巻き起こるのだろう。戦いは最後まで終わらない、どちらかが滅びぬ限り。

 

きっとこの先に待つのは絶望。それを見に行きたい次第である。

 

異世界蹂躙 ―淫靡な洞窟のその奥で― 4 (ダッシュエックス文庫) | ウメ種, ぼに~ |本 | 通販 | Amazon