読書感想:師匠に借金を押し付けられた俺、美人令嬢たちと魔術学園で無双します。2

 

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読書感想:師匠に借金を押し付けられた俺、美人令嬢たちと魔術学園で無双します。 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で異世界版「かたかわ」とも呼べる、王道無比なるファンタジーである今作品は始まった訳であるが。ファンタジー世界の一種の常套句とも言う一夫多妻制はこの作品の世界には珍しく存在していないので、最後には誰かを選ばねばならぬ。というのはともかく。今巻ではラブコメも勿論であるが、ファンタジー方面に方向を広げていく。前巻で登場した「終焉教団」、その魔の手が意外と根深く伸びている、というのが分かるのが今巻である。

 

 

 

エマクローフが学園を去って早一月。迫ってくるのは、「魔導新人祭」の季節。年四回行われるそれは、今年の新入生は四大魔術名家が一堂に会する注目度合い。しかし誰が出場するかは、学園長お手製の魔導具が決めると言うこと。それに関する思いをはせる裏、学園長の元に二人の人物がやってくる。

 

1人は、王国の第二王女、アルクエーナ(表紙中央)。もう一人は、その護衛である王国の最強部隊の一員、カレン(表紙左)。前巻の騒動の裏、王城にも終焉教団の襲撃が起きており、王城の中も油断できないと言う事。 その刺客の目から目を隠し、あとルクスの事を見極める為。アルクエーナは体験入学と言う形で、学園に入学し。更にはヴァンペールに一時期師事していた、という縁からルクスに師事を懇願し。ティアに睨まれ、ルビィに怒られたり。色々な意味で騒動を巻き起こしていく。

 

 

そんな中、決まるのは新人祭の内容。チーム戦となり、ルクスとルビィが組むことになり、更にもう一人のチームメイトが突如棄権した事でアルクエーナが急遽仲間になる事となり。カレンと稽古して、隔絶したその実力を見せつけられたり。王城で騎士団の面々と訓練する事となったり。各自訓練に励む中、ルクスはヴァンペールの同期である騎士団長、グラディアと親交を深め、師匠に関する愚痴を叩き合う。

 

 

が、しかし。終焉教団の魔の手は既に近くまで伸びていた。新人祭の本番、祭りの中で襲来するエマクローフと「憤怒」の幹部、ルーガルー。更には意外な事に、近衛騎士団の面々までも終焉教団に協力し。一気に状況が地獄となる中、ルクスはアルクエーナを護るために、禁忌の技術に手を染めたグラディアとぶつかり合う事となる。

 

「それじゃ一緒にあの人の目を覚まさせようか」

 

彼女の目的は、星に選ばれたアルクエーナをその運命から解き放つ、という事。だからこそ殺して救う、と。けどそんなものは望んではいない。心を立ち上がらせてアルクエーナはルクスの隣に並び。二人で星剣の究極の一撃を撃ち放つ。

 

その先に判明するのは、エマクローフの意外な正体。それは闇が深い、という事。戦いの入り口に、まだルクス達は立ってもいない、という事なのだ。

 

より世界観が深まっていき、より面白さも深煎りされていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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