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読書感想:本能寺から始める信長との天下統一5 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で本能寺の変を生き延びるとこうなりますとでも言わんばかりの一例を見せるかのように、大切な事を後進に任せ、海外へと覇権を獲りに行った我等が信長様。そして自らの後継となるであろう子供達が誕生し、ますますこの世界に根付いていく我等が主人公、真琴である。だがしかし読者の皆様。ここでちょっと思い返してほしいのであるが、何かお忘れではないだろうか? 歴史を学ばれたことのあられる読者様であれば、何かピンとくる存在があられるのではないだろうか?
その答えは、きっと言うまでもないかもしれない。だが一応、述べておくならば「朝廷」である。征夷大将軍という位につくためには、日本を統一するだけでは足りない。この時代の日本の天皇は文字通りの主権者であり、位につく為にもその許しがいるのだから。
そして大河ドラマ辺りを見た事のあられる読者様であれば何となくお察しなのではないだろうか。公家と武士はそんなに相容れる存在ではない事を。そう、内憂は排除したと思っていたがまだ足りぬ。「朝廷」の動きを抑え、その手綱を握ってこそなのである。
朝廷の不届き者な公家から狙われる事となる真琴、彼の家名に傷を付けんと仕組まれた宴席。
しかし、そこに乱入する影が一つ。何を隠そう、我等が殿様である信長である。
間接的な一手も、直接的な一手も跳ね除け。続けて始まるのは一体、何であろうか?
それは、真琴と北条氏による樺太探検。決してこの時代には触れられることのなかった、古からの民であるアイヌの方々の住まう異郷。この日本の何処よりも寒い、誰も見た事のない文化と世界が広がる地。
そして、真琴には新たな出会いが待っている。災難もあれば出会いもあり、そう言わんばかりに新たなヒロイン達との出会いが待っている。
信長によりハワイから連れて帰ってこられた王の双子の娘、ラララとリリリ。
氏規の命により彼の子種を狙う娘、鶴美。
そしてロシア人とのハーフであるアイヌの姫、トゥルック(表紙)。
「あまり気落ちしないよう、そして無理はしないで」
異なる考え方を持つ者達との、異なる文化を持つ者達との「共存」。本格的に国内の引き締めが終了したからこそ、本格的に海外へ向けて開いていく物語の扉。本格的に作品の流れが円熟し新たな段階へと入っていく、まだまだ楽しませてくれると信じさせてくれる今巻。
果たして樺太に残るトゥルックが選ぶ未来とは。
そしてどんどん国際色豊かになる真琴ハーレムの行方とは。
シリーズファンの皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
本能寺から始める信長との天下統一 6 (オーバーラップ文庫) | 常陸之介寛浩, 茨乃 |本 | 通販 | Amazon