読書感想:家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです2

f:id:yuukimasiro:20210609232528j:plain

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品の主人公であるジークこと、ノアには五人の最強の義姉が存在する、というのは前巻を読まれた読者様であればもうご存じであろう。そして未だ本格的に登場していない義姉は四人。その一人である賢者のシエル(表紙左)がやってくるのが今巻の大きな展開と言える。

 

 

だがノアが対処しなければいけないのは、シエルだけではなく。前巻で対決し勝利した義姉の一人、ライザもまた同じ事。しかし彼女が共に居てくれる事が一つの安心材料となるのも確かなのだ。

 

ライザとの決闘から一週間ほどが経過した後。クルタ達と共にパーティを組み次々と依頼を達成しながら、いつもいいタイミングでやってくるライザに振り回されたりしながらも、冒険者生活を満喫するノア。

 

 だがしかし、不穏の種はすぐそばまで迫っていた。魔物の分布が変わっているという事にギルドの面々も不安を感じ始める中。事前調査依頼で訪れたラズコーの谷という不人気の地、そこに新たな脅威はいた。それは「暴食」の名を冠する、古き時代に滅んだはずと信じられていた古代種のスライム。

 

剣技が効果もなく、魔法もそこまで効果が無い、正に超生物と言わんばかりの敵。都からやってきた調査員を巡りシエルとライザが火花を散らしたり、ライザの鎧が溶かされたりとお約束の展開もある中、唐突にスライムは巨大に膨れ上がり、全てを飲み込むべく活動を始める。

 

必要なのは超級魔法。それが今、出来る可能性があるのはノアのみ。ナイスなタイミングで救援に来たシエルの助けも借り、スライムを討伐。が、しかし。平穏も束の間、ノアを連れ戻しに来たシエルと術比べを、帰宅を賭けて行う事になってしまう。

 

 どう考えても何もかもが足りない、逆立ちしても勝てる訳が無い、筈だった。だが、ノアには一つだけシエルに勝ち得るものを持っていたのだ。

 

「けれど、たった一つだけジーク君に負けているものがあります。発想力です」

 

それは発想の力。賢者と言う魔法のスペシャリストではないからこそ。賢者ではないからこそ。誰にも考えのつかない斬新な魔法の可能性を導き出せたのだ。

 

剣技だけではなく魔法も。そんな新たな観点へと視点を向け、ノアの更なる成長を描くと共に、彼の周りにおける人間関係の広がりを描いていく今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、やっぱりなろう系王道ファンタジーが好きと言う読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです2 (GA文庫) | kimimaro, もきゅ |本 | 通販 | Amazon