読書感想:家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです7

 

 さて、前巻で聖剣を入手し、ゴールデンドラゴンの子供を見事救出してみせたジーク、ことノアであるが。画面の前の読者の皆様もお気づきであろう、過干渉はまぁ何とか終わったけれど、ライザが傍に居る以上修業はいつでも続いている、という事を。そして姉達の庇護、という名の隠ぺいを本格的に抜けた事で、前巻にも増してノアが注目を集めていくのが今巻なのである。

 

 

 

前巻の最後にて手に入れた聖剣。しかしこの剣、聖剣だからかあまりにも切れ味が良すぎてノアの手にはまだまだ余る代物であり。何とかしなければ、と模索する途中でライザから持ち込まれたのは、大剣神祭への参加依頼。 大陸中から強者が集い、次代の剣聖を決めるお祭り。国王の代替わりにより、二年後の予定を前倒しにしたこのお祭りへ参加する為、彼等は武の国、エルバニアへ向かう。

 

「もしかすると、優勝するのはこのノアかもしれません」

 

ついて早々、盛り上がりに巻き込まれ依頼を取りこぼし。 謎の強者である老人、ゴダートと出会い依頼を共にしたりしながら備える中、やってきたのは第一王女であるメルリア。 彼女が持ってきたのは、素行不良の噂しかない王子、シュタインの思惑が絡んだこのお祭りで優勝してほしい、というもの。 彼が用意した強者の一人が、三十年前から続く戦争の中で活躍している一人であるゴダートである、という事実を知りながら。 依頼を受けたからには勝ち残る、という方向に行くことになり。 ライザの一言でノアがメルリアから注目されたりしながら、まずは予選に向かい。 ジークもライザも危なげなく勝ち抜き、本選へと駒を進める。

 

本選を前に、ノアを心配するアエリアまでやってきてノアを心配するあまりに止めようとする中、本選一回戦はノアとライザは普通に勝ち抜き。しかしその場にアエリアが現れなかった事で、小さな疑念が沸き起こる。

 

そこへ届けられるのは、ゴダートからのアエリアは預かった、というもの。 彼をよく知る、ノアの対戦相手であった男、キクジロウから告げられたのは彼が本当はゴロウタという名前であり、キクジロウの兄弟子でもあった、そして師匠を殺し奥義書を盗んで逃げた、という事。

 

彼を止めることを頼まれ、事態の黒幕であったシュタインが待つ闘技場の地下へ。古代の遺跡であったそこで始まろうとしていたのは、太古の魔族、ジンの復活の儀式。その復活を止める為、ノアは聖剣を手に、真の力を出したゴロウタと激突する。

 

「・・・・・・俺が、あなたを止める。いや、必ず止めてみせる」

 

戦いの最中、知るのはゴロウタという修羅の悲しい成り立ち。その行い、必ず止めねばならぬ。しかし、彼の願いを叶えてもいけぬ。 一瞬の機転で何とか打ち倒し、ゴロウタを生かし。更に復活したジンと、全員の力を集めて決着をつける。

 

 

しかし、この戦いが終わっても、まだ全ては始まったばかり。 明かされるのはこの事態に絡んでいたコンロンの謎。どう見ても人間以外の存在が絡んでいるそこが、ノア達に向かい牙を剥こうとしているのである。

 

 

より面白く、真っ直ぐに進む今巻。 シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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