読書感想:家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです

f:id:yuukimasiro:20210206235233j:plain

 

さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は自分の実力を評価されずに辛い思いをされたことはあるだろうか。本当は自分がこれだけできるにも関わらず、何も任せてもらえず悔しい思いをされた事は無いだろうか。

 

魔族のような存在もある、剣と魔法のファンタジー風の異世界。その片隅で暮らす少年、ノア(表紙左)。

 

「とにかく、俺はこの家を出るから。もう決めたんだ」

 

彼は今、厳しく躾け育ててくる五人の義姉の束縛から出奔を決意し、無能と言われようと頑張ろうと家を飛び出し、辺境の街へと旅立っていく。

 

 では彼は本当に無能なのか。否、画面の前の読者の皆様、特になろう系の作品が好きな読者様であればもうお分かりであろう。彼は無能などではなく、寧ろ世間的に言えば超有能である。そして、彼は嫌われているから厳しくされているのではなく寧ろその逆、愛されているからこそ厳しく鍛えられていたのである。

 

では何故彼は無能なのか? それは彼の師匠である五人の義姉がそれぞれ違う分野で世界最強であり、そんな彼女達に言わば世界最高峰の教育を受けたからこそ世間的にはとんでもなく有能だったのである。

 

大陸屈指の大商会を率いる長女、アエリア。当代最強の剣士の次女、ライザ(表紙右)。大陸最大の宗教組織のトップである三女、ファム。賢者の称号を持つ凄腕の四女、シエル。大陸でもっとも有名な芸術家の一人、五女のエクレシア。

 

こんな錚々たる面子に鍛えられ、気が付かぬ間に常識外の実力を身に着けていたノア。

 

 その実力をいかんなく発揮する時、ノアの無自覚最強な一気に怒涛の勢いで成り上がっていく冒険者生活が幕を開けるのである。

 

冒険者になろうと思ったら、道中で狩ってきた魔物が全て上位種で。特別試験として相手になった高ランク冒険者クルタをあっという間に打ち倒し。教会のお掃除という簡単な依頼に出向けば、聖女仕込みの浄化魔法であっという間に終わらせたり。

 

「あ、あなたはいったい・・・・・・何者ですか!?」

 

ノアの周り、関わった人間を悉く驚かせ。

 

だが、それはノアの更なる成長に必要な事。今まで義姉達の強さしか知らなかった、言わば無垢なる彼は初めて世界に触れ、そして義姉以外の人間と関わり認められる事で更なる成長の道を進んでいく。

 

「それはどうかな?」

 

そして、その成長はライザとの対決で、彼女をも驚かせる力となる。

 

全体としてはなろう系の王道ともいえる、この作品。

 

なろう系の面白さが好きな読者様、認められ成り上がる爽快感が好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです (GA文庫) | kimimaro, もきゅ |本 | 通販 | Amazon