前巻感想はこちら↓
読書感想:家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです4 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、今まで姉達から出される試練を悉く乗り越えてきたノアであるが、画面の前の読者の皆様は今までの試練の内容を見てこうは思われたことは無いであろうか。意外と良心的、だと。か一方的な条件を吹っ掛けてくる姉は何だかんだとおらず、頑張ればクリア、も見えてくるものであった。しかし今巻の試練の主、五女であり偉大なる芸術家のエクレシアは違う。正しく一方的、彼女の土俵での勝負を挑んでくるのである。
前巻で手に入れた錆に満ちた聖剣。その聖剣を直す為に必要なのはオリハルコン。しかしオリハルコンを使った武器は国宝クラスであり、ノア達がおいそれと入手できるものではなかった。悩む中、ライザが思い出した伝手。大陸南部の湖畔に位置する芸術都市、エルマールの領主であるレオニーダからオリハルコンの武器を譲り受けるべく、そこへ向かってみる事となる。
「・・・・・・姉さんたちがそういうつもりなら、私も行く」
そこへ向かい、エクレシアも動き出す中。何故か入るだけで莫大な税が課されるようになり、しかも領主の館では仮面を被ることを強制されるようになった、どこか活気のないエルマール。何とか接触したレオニーダは武器を譲る条件として、不老の力を得る湖に住まう人魚の涙を手に入れる様に、と告げてくる。
懸賞金の課された人魚の涙を取りに行ったものは、誰もが帰らなかった。何となく感じるきな臭さは、湖で接触した人魚、サマンの話から膨れ上がる。
彼女は言う。人魚の涙に不老の力など無く、人間達は人魚の住処に来ていない。人間達は全て島の中央、巨大な蛙の悪魔であるベルゼブフォの封印されている地に向かったきりだと。
「みつけた」
きな臭さを感じながらもとりあえずは報告し、何とか武器を譲り受ける事となる中。とうとう追いついてきたエクレシアはノアに、自分に絵で勝つ事という不利にも程のある条件を叩きつけてくる。
その条件を呑むしかなく、サマンにお願いして絵のモデルになってもらう事となり。進んでいく対決への準備。しかしその中、レオニーダがベルゼブフォの封印を解いてしまう。
何故彼女は封印を解こうとするのか。それは彼女のメイドである少女、テイルに秘められた悲しき秘密につき。けれどそれでも、外道な方法を許すわけにはいかぬ。それぞれの戦いの中に飛び込むノア達、そこに加勢するエクレシア達。皆の力を込めて、全力で限界も越えて。全部を救うために、駆け抜ける。
その果てに成る、勝負の決着。それを以て解放されたノア。だが物語はまだ終わらない。姉達から本格的に一応は認められた以上、これから何かが起こる筈。
シリーズファンの皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです5 (GA文庫) | kimimaro, もきゅ |本 | 通販 | Amazon