さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は自分の才能や努力を報われる、そんな展開は好きだろうか。頑張ったからこそいいことがある。そんな展開は好きだろうか。
とある異世界、とある王国。その片隅にある田舎の没落貴族の嫡男、レント(表紙右)。彼は幼い頃から本を読むのが大好きであり、本が友達という少年であった。
そんな彼には無限大の可能性を齎す程に圧倒的な、魔力が宿っていた。それだけではなく、彼の先祖は伝説の大魔法使いであり、彼が幼い頃から読んでいたその本は、先祖が遺したあらゆる魔法が記されていた本だったのである。
そんなとんでもない本を教科書にしたからか、全属性の魔法に失われた筈の光と闇の魔法まで身に着けてしまったレント。
だがしかし、王都の魔法学園の門を叩き能力検定を受けた彼は「魔力ゼロ」と判断されてしまう。彼に才能は無かったのか? 否、無論そういう訳ではない。その圧倒的なまでの才能が規格外すぎて測りきれなかったのだ。
そんな理不尽な理由で最底辺であるCクラスへと配置されたレントは、様々な理由でここに集まってしまった仲間達と出会う。
名門の火魔法使い貴族の令嬢であり、試験結果は申し分なかったのに、態度に問題ありという理由で落とされたサラ(表紙左)。
魔力を持つも気が弱く、魔法を使えぬと思い込む商人の娘、ディーネ。
孤児であり、読み書きが苦手な為に落とされてしまった少年、ムーノ。
ここに集ったのは本当の意味で落ちこぼれ、ではない。それぞれ粗削りながらも確かな才能の原石を持った未完の大器達である。
日々を過ごし学ぶ中、探索の中でサラの意外な一面を見たり。ディーネの家を訪ねたり。級友同士がぶつかり合ってしまったり。
だが、そんな日々の中で磨かれていく力がある。育っていく絆がある。
未完成の力と確かな絆を武器に、最強のAクラスへと試合を挑み圧倒的な力で土をつけ。
「―――王都を守るのよ」
そして、魔族の手により王都にドラゴンと魔物の大群が襲来した未曾有の窮地の中、クラスを越えて結んだ絆が事態打開の一つの鍵となり、立ち向かう勇気となる。
「新たな英雄が誕生する瞬間に立ち会っておるのかもしれんぞ?」
その言葉の通り、今まさにレント達はなろうとしているのだ。新たな英雄に。
王道ど真ん中、最底辺から一気に駆け上がっていき認められていくサクセスファンタジーなこの作品。
王道なファンタジー、友情溢れる学園生活、魔法で戦う熱いバトルが好きな読者様は是非。きっと満足できるはずである。