読書感想:エロゲ転生 運命に抗う金豚貴族の奮闘記3

 

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読書感想:エロゲ転生 運命に抗う金豚貴族の奮闘記2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で真人ことレオルドが復活させた転移魔法。その存在がともすれば国家間の争いの材料になる、というのはもう画面の前の読者の皆様も何となくお分かりであろう。それも仕方ない事である。何せ軍事利用すれば、戦争の歴史に多大な影響を与えかねないものである。そんなものを復活させてしまったレオルドが狙われぬ訳もなく。それと同時に狙われるのは、レオルドの疎遠となっている家族である。疎遠となっているとは言え、その存在は弱点に他ならぬのである。

 

 

「当たり前だ。二人は俺の大切な弟と妹だ。これ以上、傷つけるのは許さん」

 

その猶予すべき事態はすぐに訪れる。王都を一時訪問しているレオルドの目の前、帝国の犯罪組織によるレグルスとレイラの誘拐事件が発生し、ベルーガは当主としてレオルドを取る決断をしてしまい。怒りに震えるレオルドは、いっそ冷静に犯人達の元へ乗り込み、大立ち回りを以て弟妹達を救い出す。

 

 帝国が関与を否定しトカゲの尻尾きりをしたことで、これ以上の追及は出来なくなり。しかしその代わりに、レイラとレグルスとの和解は成り。絆を不器用に結び直したレオルドは家族達と別れ、領地であるゼアトを発展させるために行動を始める。

 

喫緊の課題は、職人が不在と言う面倒事。しかし許可を取れたのは見習までの引き抜きのみ。つまり彼は、才能の原石を見つけ出さなければいけない。

 

だが、シルヴィアも何故かついてきて王都で候補を探し回る中、その候補は運よく見つかる。未来の大発明、自動車の原型の設計図を描いていたマルコを引き抜き。更には彼の同居人であったフリーのデザイナー、サーシャと縁を繋ぎ。首尾よく二人を引き抜き、領地へ戻る。

 

 領地にてサーシャの依頼で土魔法でマルコとの新居を作った後、待っていたのは自動車を作る為の試行錯誤の日々。それも仕方ない事である。何故ならレオルドは自動車に特別詳しい、訳でもないから。地獄のような繰り返しの中、領地の村を賑やかす盗賊の調査に向かい。そこで出会ったのは、子供達を守っていた既知の相手、ジェックス。彼が所持しジークフリートの元に渡る筈の蘇生アイテムを手に入れる為決闘を持ち掛け。圧倒的な力を見せつけ首尾よく手に入れるも、それはシャルロットの目から見てもどこか真贋が疑わしいものであった。

 

「では、一つだけ。レオルド様はご結婚の意思がおありですか?」

 

しかしそれがもし本物であれば、ジークフリートたちの生存フラグを一つへし折ってしまうようなもの。そして世界は動き出す、彼を中心に、彼を巡って。

 

世界を動かす準備が進んでいく中、確かに大きな流れが始まる今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

エロゲ転生 運命に抗う金豚貴族の奮闘記 3 (オーバーラップ文庫) | 名無しの権兵衛, 星夕 |本 | 通販 | Amazon